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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

・食べ物

 

 

■ 食べ物 ■

 「マニラ(その1)」でも書いたが、フィリピンでの食事は特に困ることもなかった。おそらく日本料理店などもあったのだろうが、あまり利用した記憶がない。

 今さら私が言うまでもないが、食文化と言うものは、各国々で特有のものがある。同じ国内でも地域によっては微妙に、もしくは、かなり異なるものである。日本でも、私はイナゴや蜂の子を食したことはないが、一見、「ゲテモノ」に思われるようなものでも、地域によっては「珍味」として食されていたり、食糧事情が悪いころは、貴重なタンパク源としていた時期もあったと聞く。

 さて、ここフィリピンで、どうしても口にすることができないものがあった。ユースホステルに泊まっていた時のことである、スタッフが「ほら、タマゴだ。食べるか?」と差し出してきた。「生なの?」と聞くと、「いや、アヒルのゆで卵だよ」というので、「サンキュー」と言って頂くことにした。アヒルのゆで卵は食べたことがなく、どおりで少し大きいと思った。

 私は、日本でゆで卵を食べる時と同じように、お尻の部分をテーブルの角にぶつけてヒビを入れ、その周りをテーブルの平らな部分で軽く叩きながら細かく割っていった。そして、お尻の大きく割れた部分から殻をむき始めたのである。

 そのゆで卵の表面は、「白」というよりはかなり「黄色」に近い色で、ところどころ血管のようなものが走っていた。今までも、白身を割ったら黄身に血管の跡があったというのは何回か経験しているが、白身の表面に血管というのは初めてである。

 更に殻を剥がしていくと、「羽根」のようなものが出てきた「何だこれは?!」と一気に剥いてしまうと、何とヒナの姿がそのまま残っていたのである。

 私は、かなり目を丸くして驚いていたのであろう、それを見ていた卵を持ってきたスタッフは腹を抱えて笑い始めた。そして、ひとしきり笑ったかと思うと、「これはバロットと言って、孵化前の卵をゆでたものだ、とてもうまいぞ!これを食うとパワーが出てくる。」と言って、彼が自分で剥いたものを、ヒナの頭の方から口の中に頬張り、ムシャムシャやっている。そして、「早く食べろ!」と言ってきた。

 とてもじゃないが、こんなもの食えるわけがない。仮に口の中に入れて2、3回噛むことができたとしても、「オエッ!」と言ってトイレに駆け込むは容易に想像ができる。だから、「せっかくもらって悪いのだけれど、とても食べることができない。ソーリー」と言うと、それを見ていた別のスタッフが私の隣のイスに腰を下ろし、「じゃあ、オレがもらうよ。オレ、このバロット大好きなんだ」と、私が向いたものをムシャムシャやり始めた。

 いや〜、でも、これはほとんどの日本人は口にできないと思うけどな〜。味の方はそこそこだったとしても、やっぱりヒナの姿がそのまま残っているものはどう考えても無理でしょう?! フィリピンに行ったときは、是非、挑戦してみてください。

バロットの写真を掲載しているサイト@

バロットの写真を掲載しているサイトA

バロットの写真を掲載しているサイトB

 

備考