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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

 

 

■ 目のやり場に困ってしまう ■

 下の左の写真が、タブラス島からボラカイ島まで利用した船のはずである。現在の状況はよく分からないが、乗船時間は数時間あったような気がする。「この日よけのない船で数時間は辛いな!」と思ったことを記憶している。プラスして、このバンカと呼ばれる船は、ご覧のように港に着岸させることができないので、乗り降りするには、ズボンを膝の上くらいまでまくって船が停泊しているところまで歩かなければならない。

 また、「地球の歩き方」などには、「ときおり定員オーバーで沈没し、犠牲者が出ている」などと気になるようなことも書いてある。それで、「どれくらいの人が乗るのだ?」と最初は心配になったが、とても「定員オーバー」と思えるほどの人数でもなかったので一安心した次第である。

 乗船中にイタリアからのカップルの旅行者と話をする機会があった。年齢的には、私よりも2、3歳くらい年上のような感じであった。男性の方は右足を少し引きずりながら歩いていたので、「どうしたの?」と聞くと、旅行中に痛めてしまったとのことだった。

 何とか降り注ぐ太陽からの日差しに耐え、沈没することもなく船がボラカイ島に着くと、そこで彼らとは別れた。私は、「地球の歩き方」に載っていたバンガローに宿泊したい旨を告げ、チェックインをした。背負っていたバックパックはベッドの横に下ろし、歯ブラシなどの毎日の生活に必要なものを取り出した。一応、トイレやシャワーなどの確認をしてから、デイパックだけを背負ってビーチの散策に出た。

 通り沿いにあるレストランなどの前を通り、「夕食はここにしようかな?」などと適当にブラブラと歩くと、通りの両側がヤシの木だけでまったく建物が見受けられない場所になったので、そのヤシの木々の間を抜けてビーチに出てみた。

 今度は、さっき来た方向を戻るようにビーチを歩いていると、「ハーイ!」とだれかが声を掛けてきた。「ん、オレのことか?」と振り向くと、先程のイタリア人のカップルの女性の方が波打ち際で波と戯れていたのである。

 私も「ハーイ」と言って彼女に近づいて行ったのだが、何と彼女はトップレスだったのである。こういう場合、目のやり場に本当に困ってしまう。まあ、困ってしまうと言ってっも、見つめなければならないのは一つしかない。それは乳房で、いやいや、彼女の目である。間違っても、そこから下に下げてはならない。気を許して下げようものなら、「ロックオン!」することはほぼ間違いない。

 ただ、私は、相手の目をじっと見つめて話すのは大の苦手ときている。でも、「苦手」などとは言っていられない。2、3分、彼女と話して、「じゃあ、彼によろしく!」とその場を去ったわけだが、何とも辛い時間であった。

 

 

■ やっぱり被害者がいた ■

 ビーチ辺りは、ヨーロッパの観光地と違い、ツアーで旅行に来ている日本人は全く見かけない。何人かの日本人にあっているが、ほとんどが男性の一人旅のケースが多い。あとは、フィリピン人の女性を連れてビーチに来ている人も見かけたりはするが…。

 レストランで日本人と食事をしていた時のことである。彼は私にこう言うのである。

 彼:「ねえ、あの人、やられちゃったらしいよ。」

 私:「えっ、あの人って?」

 彼:「あの、向こうのテーブルに座っているメガネを掛けた日本人だよ」

 私:「あっ、あの人…。やられたって?」

 彼:「ここで、フィリピンの女性とその両親という人たちと知り合って食事をしたらしいんだけれど、飲み物

    に睡眠薬が入っていて、気が付いたら身ぐるみ剥がされていたらしいんだよ」

 私:「そうなんだ…」

 その日本人は、年齢的には35〜40と言ったところで、痩せていてメガネを掛けていた。レストランのテーブルで質素な食事をとっていた。身ぐるみ剥がされてしまったのだから、当然、一銭も手元には残らず、本来なら食事もできないはずである。その辺のところは記憶も定かでないのだが、他の日本人の旅行者の援助があったのか、それとも日本の領事館あたりに救いを求めたのかは分からないが、とにかく帰国ができるのを待っていたようだ。ビーチだからといって気を許すことはできない。 

 

備考