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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

 さて、帰国した日付は分からないのだが、とりあえず無事に我が家に戻っている。訪れた国は、フィリピン、タイ、インド、マレーシア、そしてシンガポールの5ヶ国である。

 良い意味でも悪い意味でも一番刺激的な国は、はやはりインドであった。訪れた5ヶ国の中では、最も母国である日本とは異なる文化を有する国で、独特の雰囲気を醸し出していた。正直、旅慣れていない人には、決して旅がしやすい国ではない。

 インドの項で記述しているように、電車のチケットなどを購入するにも苦労するし、食べる物の種類も限られる。そして、町並も決して衛生的とは言えない。ちょっと街を外れ暗くなりかけると、ときおり、道端で男の人がしゃがみこんでいるのを見かけたりする。「この人、何をしているのだろう?」と思ってチラ見すると、トイレだったりする。

 また、ホームレスの人も多いが、無造作に道端に寝ているのを見たりすると、それは「寝ている」というよりは「倒れている」と言った方が正しいのではないかと思ってしまうのもしばしばで、「この人、生きているのだろうか…?」となってしまう。

 そして、対照的に一番旅がしやすかったのはタイである。首都のバンコクであれば近代的な面もあるし、物価も日本に比べるとかなり安い。食べるものの種類も豊富で、苦労することは全くなかった。

 ただ、現在はBTS(スカイトレイン)や地下鉄があるのでかなり交通渋滞は緩和されているのかもしれないが、私が訪れた当時にはそのような乗り物はなかったので、とにかく夕方の交通渋滞はひどかった。バスなどに乗っていても、「100m移動するのに一体何分かかっているんだ?!」と言いたいほど動かなかった。

 そして排気ガスによる大気汚染も凄く、目で見ても辺り一体にモヤがかかっているのが分かった。交差点などで交通整理をする警察官は、私たち日本人がするようなマスクをかけていたが、おそらく一般の人にはそのような習慣がないようで、特に女性などはハンカチを口にあてていた。

 マレーシアやシンガポールも「旅がしづらい」ということはないが、物価はタイに比べるとどうしても高くなってしまう。最後に、フィリピンだが、物価的には安いのだが決して旅がしやすい国ではない。「やたらと声を掛けられることがなければな…」とどうしても思ってしまうのである。

 さて、88年の4月に国内の自転車旅行から始まった私の旅は、89年のおそらく1月の末、タイから帰国したことで終わりを迎えることとなった。長かったような、短かったようなというところである。まあ、何事もなく無事に帰国できたことが何よりである。めでたし、めでたし…。

 

備考