私の寝袋に使われている化学繊維の「シンサレート」だが、その特徴は保温力にある。メーカー側の謳い文句は「羽毛の2倍の保温力」である。1pの厚みだと羽毛の約2倍ほどの保温力があるようで、よく商品と一緒にその保温力を表したグラフなどが掲載されている広告を見かけたりする。
最近、ときどき目にするのが新聞の片側一面を用いた布団の広告である。やはり保温力を比較したグラフを掲載していたように記憶している。また、シンサレートは寝具だけに利用されているわけではない。その保温力を生かしてジャケットなどにも用いられて、確か1着持っていたような気がする。そして、防音効果もあるようで、車の内装などにも用いられているようだ。ネットで調べてみると、シンサレートそのものがロール状になって売られていたりする。
ただ、羽毛と比較して保温力が優れているのも厚さが1pが最大のようで、それ以上厚くなっていくとだんだんと羽毛との保温力の差が縮まっていき、ある厚さからは羽毛とシンサレートの保温力が逆転するようになる。
さて、寝袋というのは「毎日用いる」ということは製造時には想定されていないのだろう。それよりは、どちらかというと持ち運びに便利なように作られているはずである。つまり、登山用のザックなどにも入れやすいように、収納時にコンパクトになるように表地などはなるべく薄い生地を用いているはずだ。まあ、最近は、ザックに入れて持ち運ぶよりは車で移動してのキャンプの方が多いのかもしれないが、それでも荷物の収納のスペースは限られるので、なるべくコンパクトになるに越したことはない。
それゆえに、表地はお世辞にも「丈夫」とは言い難い。私の寝袋も例外ではなく、去年あたりは、場所によってはかなり大きく生地が裂け、中のシンサレート(見た目は綿状)が見えるようになってしまった。それでも、その避けたところから出てくるわけではなかったのでしばらくそのまま使用していた。(これが羽毛だったら大変である)ただ、これからの長期にわたる使用を考えたら、さすがにそのままにしておけば避けた部分はますます大きくなるばかりなので針と糸で縫い合わせた次第である。
さて、12月の声も聞くようになると室温も10°を切るようになるだろう。そうなると今度は押し入れから羽毛のジャケットを出さなければなるまい。今年も本格的に「エコウインター」の幕開けとなる。