一言で「山登り」と言っても、小学生が遠足などでいくような低山から標高3,000mを超えるような高山まであり、求められる技量のレベルの差はかなり開きがある。また、同じ場所でも季節によってその状況は大きく変わってくる。冬場は、それほど標高がない低い山でも遭難の危険性は高まる。実際に、「なぜこんな山で…」と思われるようなところで遭難して死亡するケースも毎年のように報告されている。
つまり、「山登り」というスポーツは、つねにある程度の危険性を伴っているということを意識していかないといけない。経験が少なく、軽装備で登山に望むのはもちろん論外だが、経験が豊富で装備も万端であっても、判断ミスや急な体調や天候の変化で命を落とすことは時としてあることで、残念ながらそれをゼロにすることは無理なのかもしれない。
それに対して、海や川の場合は、「もう少し注意していたら命を落とすことなどなかったのに…」というようなケースが多いような気がしてならない。また、海や川の場合は、マリンスポーツというよりは「水遊び」で命を落とすケースがほとんどのような気がする。
このゴールデンウイーク中に、新潟の海岸で5人もの人が溺れて死亡するという悲惨な事件が起きてしまった。5人のうち3人は6歳から8歳の子供、そして残る2人は20代から30代の大人である。子供たちが最初に溺れ、それを助けようとした大人も溺れてしまったようだ。
多くの人が亡くなってしまい、私は、もちろんその場にいたわけではないのでうかつなことは言えないのだが、テレビのニュースでこの事故のことを耳にしたときに、「もう少し保護者が注意していれば誰も命を落とさないでいたのでは…」という気がしてならない。
・事故現場は海水浴場には指定されていなかった。
(波打ち際から2、3mも離れると急に深くなる場所だった)
・事故当時、波はけっこう高かった。
・まだまだこの時期は水温は低かった。
(実際の水温は分からないが、天気が良く暖かかったとしても日本海側である現場の水温はかなり低か
たことは予想される)
亡くなられた方々は長野県から来ていた観光客のだと聞いていてる。よって、事故が起きた海岸の状況は不慣れだったのだろう。保護者も「海に入るわけではないし、波打ち際で遊ばせているだけなら大丈夫だろう」と安易な気持ちでいたことは容易に想像ができる。でも、実際は波にさらわれ、それを助けようとした大人までも命を落としてしまった。
私には、保護者が「泳ぐわけではないが、万が一のために」と子供たちにライフジャケットを着用させていれば誰も命を落とさずに済んだのではないかと言う気がしてならない。どうも、私たち日本人?には、「ちょっと遊ばせるだけなのに、ライフジャケットなんて大げさな…」と考える傾向があるような気がする。