日記 - 6月

 

6月6日(金) 「最後のポケット(その2)」

 

 集まった叔父や叔母は昏睡状態になっている祖母の周りを囲んでいた。祖母の呼吸は非常に弱く、「あれっ、止まってしまったのかな」と思われるようなことも何度かあった。祖母の部屋は四畳半と狭く、そこに多くの人が膝を寄せ合うように正座をしていたので、私は息苦しさを感じ、居間の方に移っていった。

 しばらくすると、祖母の部屋で「あっ!」とか「うわ〜!」のようなとどよめきが起きたので、「ついに来る時が来たのかな」と思い祖母の部屋に行って見ると、なんと祖母が起き上がってニコニコしているのである。素人の私からみても、いつお迎えが来てもおかしくない状態だったので、そこにある祖母の元気な姿は「良かった!」という素直な喜びよりは、「どうしてだろう?」と不思議な感じがして仕方がなかった。

 叔母の一人が私のことを指さして、祖母に「誰だかわかる?」と聞くと、祖母はうなずいている。回りを囲んでいた人たちからの顔からは笑みがこぼれていた。ただ、そんな状態は長くは続かなかった。その状態がどれくらいだったのかはもう記憶はあいまいである。ほんの1分にも満たない時間だったのか、それとも5分から10分くらいはそういう状態でいたのかは今となっては思い出すことはできない。再び横になると元の昏睡状態へと陥った。

 それからしばらくすると、祖母の呼吸は静かに止まり、傍らにいた医師からは「〜時〜分、ご臨終です」と告げられたのである。

 

■エクササイズ週、最終日の木曜日、「少し疲れているので、今日は筋持久力系のレッスンはたまにはパスしてもいいかな〜」という気持ちが立ち込めたが、何とか「1週間に1回だけなので」ということで気持ちを奮い立たせた。今週もそこそこ頑張れたのではないかと思う。