その若い男性だが、ほとんどの場合は同じくらいの年齢の女性とフィットネスに来ていたのである。その女性の方だが、これはもう私個人の感想以外の何物でもないのだが、日本人の中にいる分にはおそらく「この人、日本人なんだろうか?」とはならないと思うのだが、外国人と一緒にいると「もしかしたら外国人なのだろうか?」と思われるような感じの人なのである。
さて、彼の方だが、その容姿(looks/appearance)から、私は「んっ?何人かな〜?ちょっと北アフリカとか中東あたりから来たような感じだな〜」と勝手に思っていた。もちろん、「彼がどこの出身であるかちょっと確かめて(make sure)やろう」などと思って話しかけてみる気にはなれなかった。
ある日、フリーウエイトのエリアでベンチに座ってダンベルで筋トレをしていた時のことである。彼もダンベルが置いてあるラックのところに来て、「どれにしようかな〜」という感じでしばらく考えていたのち、1つ5`のダンベルをそれぞれの手に取って私が座っている横でサイドレイズをし始めた。
私は、まあ、チラチラと視線は向けたが、だからと言って彼のことが気になったわけでもないので、自分のトレーニングを黙々と続けたわけである。
すると、彼の方から「肩のトレーニング、これで大丈夫ですか?」と「流暢(fluently)」とまではいかないが、十分にコミュニケーションの取れるレベルの日本語で話しかけてきたのである。私は簡単にアドバイスをしたが、かねてから少し思っていた「何人だろう?」という疑問をはらしてみようとは思わなかった。