通常、ホームセンターなどで安売りをしているカセットボンベの中身はブタンなのだが、それに対して、「寒冷地仕様」なる少し高級品もあり、この場合の中身は「イソブタン」となる。また、冬季のキャンプのためにより低い気温でも使用できるように、中にはプロパンを含んでいるものもある。以下はその3種類のガスの簡単な比較表となる。
名 称 |
化学式
(chemical formula) |
沸点(℃) |
燃焼エネルギー(kj/g) |
ブタン(ノルマブタン) |
C4H10 |
-0.5 |
42.8 |
イソブタン |
C4H10 |
-11.7 |
42.8 |
プロパン |
C3H8 |
-42.09 |
44.0 |
上記の表の沸点(boiling point)のところを見ていくと、ガスによってかなり異なっているのが分かる。それは何を意味するかと言うと、沸点が低いほど低い気温でもよく気化(vaporization)して燃焼するということになる。それに対して、それぞれのガスが持つ「燃焼エネルギー」なのだが、ほとんど変わらないことが分かる。
つまりどういうことかと言うと、ブタンに比べ、イソブタン、プロパンの方が気温が低くても勢いよくボンベから出るのでよく燃焼するのだが、それぞれの持っている燃焼エネルギーはほとんど同じなので「その分、早くなくなる」ということになり、一長一短(merits and demerits)ということになる。
まあ、寒冷地でブタンのカセットボンベを使用するときでも、使用する前にぬるま湯などで人肌程度に温めてやれば勢いよくガスは出てくるし、現在販売されている卓上用のカセットコンロのほとんどのものはカセットボンベを温めるヒート板(正式名称かどうかは不明だが、カセットボンベを収める下にあるアルミの板)が付いているので使用にはほとんど問題ないかもしれない。
さて、私の場合だが、室温が10℃を下回ってくるとボンベからのガスの出も悪くなるので、そういうときは寝袋のなかに収まっている股間でボンベを挟んで温めてから使用することになる。今年もそうする日が来るのもすぐそこである。