私は腰を落として「大丈夫ですか?」と声をかけてみたが反応がない。そこで、肩のあたりを軽くたたいて「もしもし、大丈夫ですか?」と再び声をかけてみると頭を軽く左右に振ったのである。つまり、「死んでいない」ということが確認できたのでとりあえず一安心した。
と同時に、呼気からアルコール臭が漂ってきて「酔っぱらって寝ている」ということが分かった。つまり「ヨッパーDとの遭遇」である。「やれやれまたか!」と思わないでもなかったが、脳梗塞などで倒れているわけではなかったので再び一安心である。というのも、携帯電話は普段持ち歩いていないため(何のための「携帯電話」なのだろうか…)、救急車を呼ぶとなると非常に厄介である。近くの家の人にお願いするか、公衆電話を探さなければならない。
私:「大丈夫ですか〜?」
ヨッパーD:「ん〜?ん〜」
私:「こんなところで寝ているとカゼを引きますよ〜」
ヨッパーD:「ん…、カゼ?ぜんぜん平気…」
私:「平気じゃないですよ。まだまだ寒いから…」
ヨッパーD:「引かない、引かない。大丈夫、大丈夫。あ〜、でも〜、引いちゃうかな…。カゼでも引いて
ちょっと会社を休みて〜」
正直、そんな愚痴に付き合っているほど私も暇ではない。また、今までのヨッパーとの遭遇で一番異なる点は、年齢がまだ若く40前後くらいであった。私は「さあ、起きて!」と上半身を抱えて起こそうとしたのだが、「ダメ、ダメ、止めて!」と拒まれてしまった。
私:「家は近いのですか〜?」
ヨッパーD:「近い近い、すげ〜近い!」
私:「よかったら送りますよ?!」
ヨッパーD:「送る?全然平気だから…」
正直、これ以上問答を繰り返しても無駄なような気がした。私は「まだ若いから大丈夫かな」と思い、「じゃあ、私は行きますから」と声をかけてその場を去った次第である。私は声を大にして叫びたい「No More Yopper!」と…。