ミカンの木は北側に面した私の部屋のすぐ横に植えられている。私の部屋の窓はすりガラスのようになってはいるのだが、窓を開けなくてもデスクワークをしているときに蝶がヒラヒラと飛んで来ればすぐに分かる。そして、ミカンの木に近づいたり離れたりしていれば「卵を産もうとしているんだな〜」と思ってしまうわけである。
最近は「どれどれ…」といちいち確認したりはしないが、葉に産みつけられた卵が孵化し(hatch)、幼虫になって葉から葉へと食欲旺盛にはいずり回るようになるとカマキリの姿もミカンの木に確認ができるので、鮮やかな緑色をした幼虫はすべてがになるわけでもないのだろう。
さて、そんな柑橘系の木からは縁もないような自転車を留めて置くスペースにはもう何ヶ月も乗っていない自転車がホコリだらけになって留めてある。4年くらい前に母親のために新品で購入したものなのだが、膝を骨折したということもありほんの数回しか乗っていないと思う。しばらく乗っていないとホコリ(dust)だらけになるし、タイヤの空気などもすっかり抜けてしまっている。
先日、「乗らないけどたまには空気を入れた方がいいのかな〜」とすっかりペチャンコになったタイヤを見ていると薄緑色の物体が目に入ってきた。「んっ?」と確認をすると、自転車のスポークに蛹がくっついているのである。「なんでこんなところに…?」と思わざるを得なかった。
一番近いのはレモンの木だと思うのだが、おそらく5〜6mは離れている。しかも「全く」と言ってよいほど途中の道のりには草木など生えていなく土と石だけとなる。「さぞかしここまでの道のりはさぞ険しかっただろう?!」と思ってしまうわけである。。「一体なにがこいつを駆り立てたのだろう?」と考えると今日も眠れそうにもない。