さて、最後のゴキブリが嫌われる理由なのだが、これがなかなか面白く全く考えたことがないものであった。
■ 人間の本能 (instinct)によるもの ■
これだけだと「えっ、本能って?」となり全く理解不能なのだが、あるサイトには以下のように解説していた。
「その昔に生きていたゴキブリは今の大きさよりもかなり巨大であったという説があるのです。その全長は何と1mほどあると言われています。そして、人間はその巨大ゴキブリの捕食対象であったという説があります。
今となっては小さいゴキブリですが、ゴキブリに襲われて食べられていて、それが凄まじい繁殖力で今も生き残っているということで、人間の本能にはゴキブリが天敵であるということがインプットされていると考えられます。
この本能によって、自己防衛のためにゴキブリに拒絶反応 (rejection reaction)を示してしまうのでしょう。」
「昔、いじめられたことが脈々と受け継がれている」ということか!う〜む、なかなか面白い説である。そこでちょっと「それって、どのくらい前ののことなのだろうか?」と疑問に思った。再び「困った時のインターネット」となり、ざっと調べてみると「3億年くらい前には昆虫はかなり巨大化していた」という説明文をいくつかのサイトで見つけたわけである。
さすがにおバカな私でも「ちょっと待てよ!人類ってそんなに昔から存在していなかたと思ったが…」となった。仕方がないのでちょっと調べてみると、ウィキペディアの「原人」の解説文に以下のようなものを見つけた。
「ヒト属の最初の種であるホモ・ハビリスは鮮新世後期か更新世初期に南アフリカと東アフリカで出現した。おそらく250万から200万年前にアウストラロピテクスの一つから種分化したと考えられている。」
つまり、3億年というのは人類の誕生のはるか昔のことなのである。仮に霊長類 (primate)まで遡ってみても1億年まではいかないはずである。
よって、「ゴキブリが人間の捕食者 (predator)となっていた」というは面白いことは面白いが、時代背景 (historical backgroud)を考えるとちょっと考えづらい。
まあ、こんな感じで私たちが何の害も与えないゴキブリを毛嫌いする理由の核心的な部分はつかむことはできなかったわけである。いずれにしても、これからも「嫌われモノ」として生きていただくしかない。
でも、ある日突然「ゴキブリの体からガン細胞を死滅させる強力な成分を発見されました!」などというニュースが流れたりして、みんなが目の色を変えてゴキブリを追いかける日がやってこないとも限らない。こればかりは分からないものである。