100%の軽油と50%水増ししたエマルジョン燃料が同じ燃焼効率だということは、大雑把な言い方をすると、「車の燃費(fuel consumption)が2倍になった」ということが言えるのではないだろうか。燃費を2倍にするというのは、これは通常はできることではなく、同種の車をハイブリッドにしても恐らく燃費は3割前後のアップに留まるはずである。それをエンジンを全くいじることなく、現在広く普及している車にそのまま使えるのだから、これぞ
ということになる。
「しかし、いったいどういう発想で軽油と水を混ぜようと思ったのだろう?」と思って少し調べてみると、どうも「エマルジョン燃料」というのは新しい発想ではなく前々からあったようで、山形県などではエマルジョン燃料製造プラントなども建設され、農業用のハウスなどで実証実験(demonstration experiment)が行われたこともあるみたいだ。ただ、従来の技術では、時間の経過とともに水と軽油が分離する(separate)傾向にあったのだが、この度新しく開発された界面活性剤ではその辺の問題はおそらくクリアされたのだろう。
それが証拠に、番組では山梨にある製造会社であるエネコホールディングスにタイから商社と軍関係の人が訪れて調印式をしているところを放送していた。おそらく技術供与契約を結んだのだろう。そして、3月末までには16ヶ国と調印を終える予定だという。つまり、それなりに技術が確かなものになっている証拠である。
個人的には「これは素晴らしい技術だ!ぜひ、国内でも広まってほしい!」と思っているのだが、新たに開発された技術が素晴らしければ素晴らしいほどそれを快くなく思っている連中が出てくるのも世の常である。