■ 建物はタダでいいので… ■
久し振りに会った先輩だが、ご夫婦ともども元気そうであった。ただ、先輩は難病(incurable disease)指定された病気を患っている。、本人もつとめて病気について話を避けているわけではないので、こちらから病名などを聞いても問題はないのだろうが、どうも聞きづらく詳しいことは私もよく分かっていない。今回の訪問でも少し病気に関して話題になったのだが、「月に一度は東京の病院に行って診察をしてもらわないといけないし、保険は適用されるが月々4万以上も薬代にかかるんだ!」と少し嘆いていた。
とは言っても、いたって元気そうで「別荘に来ても草刈やシカなどの被害を防ぐための柵作りなどやることが多くてゆっくりしていられない」と言っているし、好きな山登りにも楽しんでいるようで、「八ヶ岳も近いし別荘から歩いていけるところもあるのでよく行く」とのことであった。
私が「この別荘はどうやって知ったのですか?」と尋ねると、おそらく山の帰りだと思うのだが、小淵沢の駅の近くの不動産屋さんを冷やかし半分でのぞいてみると、「坪1万円で500坪の土地があります」と言われ「それは安いな〜。ちょっと見てみるか!」となり案内されたそうである。
ただ、それは現在の建物が建っている隣の土地で(特に境界となる柵などはない)、案内されてみると周りの環境も悪くなく「お買い得」感が非常にあったので、最初は「500坪の土地を購入して手作りでログハウスでも建てるか!」と思っていたとのこと。
たまたまその様子をうかがっていた、結果として購入した別荘の建物の元の住人が近づいてきて「安くしますから隣の建物が付いた土地も一緒にどうですか?建物はタダでいいです。敷地が1,000坪あるので1,000万円で…」と言われてしまったようだ。
まあ、通常、500坪もあれば別荘としては十分なのだろうが、おそらく「建物がタダ」というところがインパクトがあったのだろう。いくら手作りで安くログハウスを建てるといっても、(実際に、先輩は屋久島に1棟建てて所有している)、10万、20万で建つものではないだろうし、還暦を2年後に控えているので体力的にもそう無理がきくものではない。建物が最初からついていれば「らくちん」そのものだし、敷地も500坪と1,500坪ではかなり違ってくる。500坪だと「かなり広い」だが、1,500坪もあれば「広大」そのものである。
即決したかどうかは分からないのだが、結果として案内された500坪の土地の他に、隣の建物付き1,000坪の土地を1,500万で購入したとのことである。