先日、阪神高速道路を愛車のポルシェで制限速度 (speed limit) をはるかに超えるスピードで走行し、運転を誤って前を走行していたトラックに後ろから衝突し、70歳の運転手の命を奪って逮捕された医師がいる。年齢は50歳で、ちょっと調べてみると心療内科 (psychosomatic medicine) のクリニックを開業していたようである。

　「 開業医 」で「 愛車はドイツの高級車のポルシェ」と聞けば、一般的には「凄いですね〜！」とうらやましがれるような身分に置かれているのだろう。しかし、この男、以前にも危険な運転をして免許停止処分をくらっているのである。つまり、無免許で愛車を運転しての事故となったわけだ。

　ちょっとネットのニュースサイトでこの事故に関する記事を読んでみたのだが、素直に自ら犯した罪も認めていないようで、取り調べでは「 弁護士としか会話をしません 」などとぬかしているようだ。殺されてしまったトラックの運転手は70歳という高齢で、「 まだまだ頑張って働いていかないと暮らしていけない 」と老体に鞭を打つようにして働いていたことは容易に想像ができる。そのようなことは一切気にも留めず「弁護士としか会話をしません」などとぬかすなんて本当にふざけた野郎である。

　まあ、ふざけた野郎なりに今までコツコツと積み上げたものがあるのだろうが、この事故で一気に崩れ去ったことになる。私は、もちろん法律には詳しくはないのだが、もし今回の事故で「 危険運転致死傷罪 」が適用されれば「 1年以上20年以下の有期懲役 」となる。もちろん、本人のみならず家族にも世間の冷たい目が向けられるし、開業していたクリニックだって閉鎖せざるを得ないだろうから雇っていた看護師 (nurse) なども解雇 (dismissal) となり多くの人たちに多大なる迷惑 (trouble) をかけることになる。

　「 コツコツと何年もかけて積み上げてきたものが、自分の愚かな行為 (foolish act) によって一瞬で崩れ去ってしまう 」というのはときどき耳にする。「俺も気を付けないと…」などと思ってしまうのだが、よくよく考えてみると「 俺の場合、積み上げてきたものなんてあまりないか… 」などとちょっと納得してしまう今日この頃ではある。