私の住まいの地域にも、週に1回ほどだがそのリヤカーを引いて豆腐などを販売する野口屋の販売員がまわってきていた。私の母親は「スーパーで購入するよりはちょっと高めだけど美味しいし…。」と何回か購入したことがあるようだった。まあ、少なからず「若いのにリヤカーを引いて売り歩くなんて感心だわ!少し応援してあげないと…。」という意識 (consciousness) が働いたに違いない。
販売員の方も何回か購入すると顔と家を覚えるので、我が家の前を通るたびに「今回はいかがですか?」とインターホンを鳴らしてくるようになった。まあ、営業手法 (business model) としては特別変わったものではなく常套手段 (usual practice) になるわけだが…。それが原因かどうかは分からないが、母親はだんだんと購入を控えるようになってしまった。
さて、そんな野口屋なのだが、数年前のある時期を境にピッタリと「お豆腐、お豆腐、おと〜ふはいかがですか?」の声が聞こえなくなってしまったのである。最初は「販売ルートを変更したのかな?」くらいに考えさほど気には留めていなかった。
ただ、以前は自転車に乗っていると他の地域でもリヤカーを引いている姿をときどき見かけたが、それすらも全くなくなってしまった。それで、ちょっと気になったのでネットで調べてみると、会社経営 (company management) が成り立たなくなり破綻したようであった。