四方山話

韓国フィットネス紀行/四方山話



 


6月4日

 ソウルのインチョン空港に到着したのは21時半を回っていた。特に荷物を検査されることもなく入国することはできたが、初めての国に夜遅く到着するというのは多少不を覚える。
まず両替をしなくてはならない。一番近い両替所に行って、前回購入したシティバンクの米ドルのトラベラーズチェックを見せて「OK?」と聞くと、首を横に振り「アメリカンエクスプレスのしかだめです。」とのこと。500ドル分ほど残っていたので早く使ってしまいたかったのだが、いたし方がない、1万円札を3枚ほど首にぶら下げている貴重品入れから出して両替をすると220,845ウォンになった。
1円が約7.4ウォンということになる。実際に買い物等をしてみないと日本と比べてどのくらいの物価なのか良く分からないが、1万円札3枚が1万ウォン札22枚と数枚のコインになってかなり量が増えたので、何となくリッチになった気分になってしまった。貧乏人はこれだから困る。
1万ウォン札数枚をズボンのポケットに、残りは首にぶら下げている貴重品入れに入れ、Tシャツの中にしまった。
さあ、宿まで移動しなければならない。ガイドブックではインチョン空港からソウル市内まで100km離れていると書いてあるが、地図を見る限りは100kmも離れているようには見えない。せいぜい70〜80qくらいな感じがしないでもないが、いずれにしても結構な距離である。日本では優に2時間はかかるが、ガイドブックには「60分から70分」とある。
宿はソウルの中心にあたるミョンドン駅から徒歩で8分程度のところにある「ナムサンゲストハウス」というところにすでに3日分の予約を入れてある。ミョンドンまで行けばガイドブックに載っている地図をたよりに何とか辿り着くここができるだろう。
そして、インチョン空港からミョンドン駅に向かうリムジンバスがまだ運行しているはずである。料金は8,000ウォン、日本円で約1,081円、距離を考えると十分にリーズナブルである。
最悪タクシーかなとも考えていたが、タクシーだと6万から8万ウォン、日本円で約8,100円から10,800円くらいになる。これはできうるかぎり避けたい。
ターミナルを出ると大型のリムジンバスが数台停車しているのですぐに乗り場だということは分かった。例によってタクシーの運ちゃんがたむろしているが、一切無視してミョンドン行きのバスを探す。
バスの番号もガイドブックには載っているので停留所を探すにはさほど苦労をすることもなかった。時刻表を見ると「10:20」分のバスがまだある。
また、停留所から5、6m離れてチケットを売るボックスもあったので、ミョンドンまでのチケットを購入しようとしたが、中にいた男性の販売員は私が「ミョンドン」と言って右手の人差し指を立てても首を横に振っている。あまり英語は解せないようである。
彼の手元には数種類のチケットの束があったので、チケットを指差し、もう一度「ミョンドン」と言ったが、手元にあったチケットの束を横に振って「ミョンドン、ノウ!」と言っているので、「これ以上言っても無駄だな!」と思い、そこでのチケットの購入はあきらめることにした。ガイドブックには「車内でも購入可能」と書いてあったのを思い出した。
リムジンバスは時間通りにやってきたので、荷物を持って車内に乗り込んだ。運転手に「ミョンドン」というと、「8,000ウォン」と言ってバス料金を投入するボックスを指差すので、両替したばかりの1万ウォンをボックスに入れ、2,000ウォンのお釣りを受け取り、一番前の席に腰を下ろした。
バスにはすでに3、4名の人が後部座席に座っていた。そして、私の後からは2名ほどやはり旅行客が乗車してきたが、日本人であった。会話をすることはなかったが、共にミョンドンで下車をすることとなった。
後部座席に座っていたのはどうやら空港の関係者のようで、荷物も手荷物のみで、それぞれミョンドンに着く前に下車していった。
ミョンドン駅で下車したときに、バスの運転手に「ミョンドン駅はどこ?」と聞くと、道路を指差して「この下だ!」と言っている。漠然と普通の駅舎を想像していたが、ミョンドンが地下鉄の駅だということを思い出した。
そこから宿のナムサンゲストハウスまでは、ガイドブックの地図を頼りに右往左往しながら20分近くかかって辿り着いた。
機内では軽食しか出なかったので、お腹がグーグーと鳴っている。チェックインして荷物を下ろし、空腹を満たそうと、再びミョンドン駅まで戻ってみた。
まだ、焼肉店や通りに面して屋台もいくつか出ていたが、初日で夜も遅かったということもあり、コンビニで済ませることにした。
大きなコンビニではなかったが一通り全部揃っていて、日本にいるときと同じような感覚で買物をすることができる。韓国語ができなくても、買いたいものをカゴに入れてレジまで持って行き、デジタル表示された金額を支払えばよいだけである。
韓国での最初の夕食として、おにぎり2個、カップめん1つ、ビールの大ビンを2本、そして焼酎を買い宿に戻った。
宿では「冷水・温水」兼用の浄水器が設置されていたので、お湯は自由に使えたが、電気ポットのように「再沸騰」の機能が付いていなかったので、お湯の温度が何度だかは分からないがカップめんには少し温度が低いような気がした。
事実、コンビニで買ったカップめんのめんは太いほうだったので、好みの軟らかさまでにはならなかったが、贅沢は言っていられない。
かくして、前回のタイ以来のアルコールと豪華ディナーで韓国での最初の夕食を楽しむのであった。


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