インドシナ半島フィットネス紀行/日記 - プロローグ
「 旅行保険(その2)」
タヒチからの帰国にあたっては、体調を崩してしまったその離島から国際線の飛行場があり行政の中心となるパペーテがあるタヒチ島まで戻らなければならなかった。よって、帰りのフェリーの時間は自分なりに頭に入れていたつもりである。
だから、私の治療にあたっていたその医者の口から出た「これからタヒチ島に行こう!」という言葉を聞いたときは「これからタヒチ島に行こう、と言われてもフェリーの時間はもう過ぎているはずだけど…」と体調が悪いなりにも多少は思考していたわけだ。
そして、その医者は私に「保険には入っているか?」と聞いてきた。私は頷き、財布に入っていたカード型の保険証を取り出してその医者に渡すと、その医者はカードに書かれている電話番号に電話をかけ会話をし出したのだが、フランス語だったのでもちろん内容は全く分からなかった。(まあ、「英語だったらバッチリ分かりましたよ」というつもりはないが…)
一通り会話を終え受話器を置くと、その医者は私に「セスナ機をチャーターしたので、荷物をまとめてくれ」と言ってきた。私は一瞬「えっ、いくらかかるのだろう?」と不安になったが、全て保険で賄えるという話なので一安心。そこで、一緒についてきてくれた宿のおばさんに「私の荷物を取ってきてもらえないだろうか?」とお願いすると「もちろんよ」と言って宿まで私の荷物を取りに行ってくれたのである。私は宿の支払いを済ませおばさんにお礼を言い、再びクリニックの医者の運転で飛行場まで向かった次第である。
飛行場に着くとセスナ機がエンジンをかけて待っていてくれていた。この辺の記憶もあいまいなのだが、車から降りてストレッチャーの乗せられてそのままセスナ機に乗せられたような気がする。所要時間は1時間ほどでタヒチ島の空港に着いた。そして、空港では救急車が待機をしていてくれて、ストレッチャーのまま救急車に乗せられ大きな病院へ向かい病室のベッドに寝かされることになった。
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