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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その5)

 

 

 

・まずいことになった!

 

 

■ まずいことになった!■

 翌日、朝食を取ろうと食堂の食卓に着いたのだが、熱もあるようでとても食べる気にはなれなかった。私はおばさんに「具合が悪いので寝ます」と言って、再び自分の部屋に戻り床に就いた。昼を過ぎても具合の方は良くならなかった。夕方近く、おばさんが部屋に来てくれて「クリニックのドクターにきてもらうから」ということになった。

 しばらくすると、再びおばさんが「ドクターが来たから」と部屋にやってきたが、結局はドクターの車でクリニックまで行くことになり、おばさんも同乗してくれた次第である。

 クリニックまではおそらく4、5分くらいだったとおもうのだが、私は車から降りると気分が悪くなり、クリニックの周りに植えられた樹木のところで「ゲーゲー」と履いてしまったのである。もうこれ以上吐けそうもないというところで、ドクターに抱えられる様にして診察室に入った。

 熱を測ったり、胸に聴診器などがあてられて一通り診察が終わると、ドクターからは「おそらくカゼを少しこじらせたのだろう。注射をして少し休めば良くなるから…」と言われ1本注射を打たれた。しばらくその場で横になっていると少し気分も楽になってきたような気がしたので、「あとは宿に戻ってしっかりと休もう」と置き上がって診察室を出たのだが、とても立っていられなく床に膝まづいてしまった。

 ドクターから「もう一度診察室に戻って!」と言われ、私は再び診察室の診察台に横になった。ドクターとおばさんは何やら話をしている。私は「まずいことになった!」と正直思った。明日の夜にはタヒチ島のパペーテに戻り、ハワイに戻る便に乗らないとならない。それを逃すと、次の便は1週間後である。再びチケットを購入しなければならないし、空席があるかどうかも分からない。そして、プラス1週間の滞在費用も必要になって来る。ハワイからの帰国便に関しても改めて購入しなければならなくなってしまう。とても、手持ちのお金にはそのような余裕があるとは思えなかった。体調がすぐれないなりにもあれこれと考えてしまった。

 ドクターはおばさんとの会話が終わると、どこかに電話をかけ始めた。おばさんは、診察台の横にあるイスに腰を掛けて私の手を握ってくれて「大丈夫だから」と声を掛けてくれた。しばらくすると、診察室のドアが開き、一人の男性が入ってきた。ドクターは私に、「こちらはドクター〜です。」と紹介してくれた。

 そのドクターは普段着を着て、呼気からは少しアルコールの匂いがしたので、どうも食事中を呼び出してしまったようである。一通り私を診察すると、何やら最初のドクターと話し始めた。しばらくすると、私に「旅行用の保険に入っているか?」と聞いてきた。私は、海外旅行時には必ず保険には入っていいるので、「はい」とうなずき首から下げている貴重品入れから保険の申込用紙?を取り出して彼に渡した。

 ドクターは再びどこかに電話を掛けているようであった。そして、その電話が終わると私に「パペーテにある大きな病院に移動しよう」と言うのであった。

 

備考