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■ ちょっとドキドキでした ■

 フィンランドではヘルシンキのユースに1泊か2泊しただけで特に観光という観光もしなかったのでは…、と記憶も曖昧なくらいあまり印象に残っていない。

 そして、フィンランドに続いてスウェーデンに入った。首都はストックホルムで、ヘルシンキからフェリーを利用。昔の写真をあらためて眺めてい見ると、ここスウェーデンでもツアーのメンバーと一緒に写っている写真がある。自分ではもうひとり旅をしているつもりでいたのだが、どうもまだ一緒だったようである。まあ、向かおうとしている方角が同じであれば、あえてそこを「じゃあ、これからはバラバラで」とはならなかったのであろう。

 実は、スウェーデンを訪れることに関しては、ちょっと胸をときめかせるものがあった。現在はそういう言い方がされているのかどうかは分からないが、当時、スウェーデンというと「フリーセックスの国」と感覚が広まっていたような気がする。若かった私は「えっ、そうなの!?」と、何となく期待というかドキドキというか、ソワソワしたものを感じた。結局は別にロマンスがあったわけではないが…。

 で、この「フリーセックス」という言葉だが、どうも私が勝手に意味を取り違えていたようだ。いや、私だけではない。私の友人も「お前、スウェーデンに行くのかよ!?いいな〜、フリーセックスの国なんだぜ!」と冷やかされたものである。まあ、単に無知なものの集まりにすぎなかったのだが…。

 この場合の「フリー」は「自由な」と意味ではなく「無い」という意味になる。例えば、飲料水などに良く使われる「カフェインフリー」や「シュガーフリー」などの「フリー」と同じで、これらは「カフェインや砂糖が入っていない」という意味を表す。

 そして、「セックス」の方には大きく2つの意味がある。一つは、男性が目の色を変える「エッチ」という意味と、もう一つが「性」という意味である。

 よく海外旅行などで、機内で出入国手続きのカードを記入するときに、氏名や国籍に並んで「sex」という項目がある。つまり、それは「性」ということで「女性」なのか「男性」なのかを聞いている。もう、しばらく前のことになるが、あるスポーツ紙を読んでいると、プロ野球のある球団が団体でハワイに赴いたときに、ある選手が、その出入国カードの「sex」の項に「週3回」と書いたという記事を読んで噴き出したのを覚えている。

 つまり、スウェーデンの「フリーセックス」の持つ意味は「性がない」ということで…、ここで「えっ、性が無いって、つまりオカマ、オナベっていうこと!」なんていうつまらないギャクを無視し、要するに「性の区別がない=男女平等」ということを意味している。ちょっと胸をときめかしていたものとは全く違うわけである。

 そこを勘違いしたまま「フリーセックス」の2文字だけで頭の中がいっぱいになり、目を充血させ、鼻息も荒く、あたりをキョロキョロしながら通りを歩き、道行く女性に手当たり次第「フリーセックス、OK?」などと尋ねようものなら国辱になりかねない。しっかり正しい知識を身に着けないと…。

 

 

■お人形さんのようである■

 いや〜、北欧に入って驚いたのが、女性である。ソ連ではそれほど感じていなかったのだが。ときどき「ハッ」とするほどきれいな女性に出会う。それは特に着飾って通りを歩いていたり、レストランなどで食事をしている女性ではなく、ちょっとしたファストフードなどで働いる女性だったりする。

 何に「ハッ」とするかというと、まず、髪の毛が完璧なブロンド。そして目は吸いこまれそうなブルーで、肌は非常に白い。まさにお人形さんのよう。別に個人的に親しくなったわけではなのだが…。

 ただ、残念なことに、みんな背が高い。低くても私と同じくらい、高いと見上げてしまうくらいである。「いや〜、いくらきれいでも背が高すぎるとな…、アマゾネスじゃないのだから…」と、昔観た映画をちょっと思い出してしまった。

 

■ 寒いのですが… ■

 私たちが訪れたときの北欧の夏の気候は7、8年ぶりの猛暑であったようである。「今年は暑い!」と会話をした人達は不満を漏らしていた。私たち日本人からすると、それほど「暑い」とは感じなかったが、冬に極寒の地と化する北欧の人たちからすれば「今年はやけに暑いな!」と言う年だったのかもしれない。

 宿泊したユースホステルは、まあ、何れの国にしても基本的には大差はないが、二段ベッドが一つの部屋にいくつか置かれていて「どれでもお好きなものを」という形になる。

 もちろん、宿泊者の国籍は様々であり、会話をしない限りその人がどこから来たのかは分からないのだが、友人同士で来た場合は、話し合っている言語、つまり、フランス語、英語、ドイツ語、スペン語などで、ある程度は「ああ、〜からきたのかな?」などと予想がついたりする。

 で、彼らの中には、とひとくくりにはできず個人差が非常にあるわけなのだが、特に、西洋人で少し太めの人は寒さに強い。

 ユースなどでも「暑い!」と言って就寝時に窓を全開にしたりする。就寝時であればまだそれほどでもないが、明け方となると、夏でもけっこう気温は下がる。

 そうすると、持参したシーツの中に「サブー!」など言いながら身体を丸めてなければならない始末になる。それに反して、彼らはヘソを出しながらグーグーといびきを立てながら眠っている次第である。

 

備考