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柔軟性をつけるには時間をかけて根気よくストレッチをしていくしかありません。もちろん、筋トレで筋肉をつけるのと同じように、個人差はかなり出て来ると思われます。
やり方や行った時間が同じだからと言って、結果が同じだとは限りません。もともと素質がある人は、数か月で結果が目に見えて出てくることもあるでしょうし、もともと体が硬く、ほとんどストレッチなどしたことのない人は、1年頑張ってもなかなか結果が伴わないかもしれません。
ただ「せっかく頑張ってやったのに。もうこれ以上やっても無駄だな!」とあきらめてしまっては、一生体は柔
らかくなることはありません。むしろ、年を取るごとに、ますます関節の可動域は狭くなっていくことでしょう。
まあ、通常の生活であれば、体が硬いことで日常生活に支障をきたすことはそんなにはないかもしれません。たまに前屈などをしてみて、「うわ〜、硬いな!」くらいで終わってしまうことでしょう。
でも、柔軟性をつけ、関節の可動域を広げておくのは、非常に大切なことだと思います。スポーツに限らず、日常生活で役に立つこともあります。特に高齢者の転倒によるケガの防止にも効果があるはずです。そして、特に柔軟性を求めるヨガやバレエなどの特定のスポーツをやっている人には、そのパフォーマンスを上げていくはずです。
特に柔軟性が必要なスポーツをしていなくても、本来なら意識的にストレッチなどをしてなるべく関節の可動域を高めてやりたいところですが、なかなかそのような時間が取れていないのも実際のところではないでしょうか?!
そして、もし「柔軟性をつけたい」と本気で思っているようであれば、効率の良い悪いはあっても、はやり根気よく時間をかけてストレッチをしていくしかありません。後は、その時間を作る気持ちがあるかどうかです。なか
なか結果が出なくても、継続をしていれば必ず前進するはずです。
さて、私の場合ですが、柔軟性を意識するようになったのはエアロビクスダンスがきっかけです。37歳くらいのことだったと思います。それまでも、日常生活ではジムなどに通ったりして努めて体は動かしていましたが、ストレッチに関しては運動の前後に軽く行うくらいで、柔軟性を向上させることを目的に「もっと軟らかくしよう!」と意識してストレッチをすることはほとんどなかったように記憶しています。
以下がストレッチをする上で一般的に注意しなければならないことと言われています。
@「伸ばしすぎない」
フィットネスクラブのレッスンなどでストレッチをしていると、よく「痛みを感じるところまで伸ばさないでください」という指示がある。また、ストレッチに関する書籍やホームページなどにも、必ず「伸ばし過ぎない」等の文言を見受けることができる。
さて、少し私見や私の経験を述べていきたいと思います。運動前後の「ウォーミングアップ」「クーリングダウン」であれば、「痛いところまで伸ばさない」というのは納得ができますが、柔軟性の向上を目的としてストレ
ッチをする時に、「」痛みを感じない範囲でのストレッチで柔軟性はどのくらい向上するのであろうか?」という気がしないでもありません。
もちろん、「全く向上しない!」と言うつもりはなく、やればそれなりの効果はあると思います。ただ、例えば、柔軟性が非常に必要な体操の選手が、その範囲でのストレッチで終わっているかと言われれば、やはり、私も日々「もっと体が柔らかくならないかな〜」とそれなりに気を使っているので、「それはあり得ないでしょう!」と否定的にならざるを得ません。
あまり他の人と、柔軟性の向上を目的としたストレッチのやり方に関して話し合ったことはないのですが、「ガンバってもっと柔軟性をつけたい!」という気持ちがあれば、ある程度の「痛み」は我慢しながらストレッチを行っているというのが普通のような気がしてなりません。
何回か相撲部屋に入門したての若い力士が、無理やり「股割り」をさせられている映像をテレビなどで見たことがありますが、先輩力士に後ろから無理やり押されて、かなり辛そうな表情をしていたように記憶しています。それくらいやらないと柔軟性を向上させたい場合はなかなか難しいと思うのです。(もちろん程度に寄りますが…)
しかし、「エアロビクスダンス」の項の作成でお世話になったインストラクターがこう言っていました。
「競技を目指しているときは、何とか柔軟性をつけようと毎日必死になってストレッチをしたけども、競技をやめてからの方が体が柔らかくなった。」
競技エアロビクスはハイキックのみならず、前後や左右のスプリット開脚などが出てきますので、ハムストリングや股関節の柔軟性は必須です。ですから、大会を目指す人は、柔軟性の向上にはかなり力を入れていると思います。
彼女も例外ではなく、柔軟性をつけようと必死になってストレッチをしていたと思うのですが、それがいつも筋肉や腱に緊張を与えていたに違いありません。もしかしたらそのために「伸張反射」(伸ばし過ぎると戻ろうとする力)が働いて、思うように柔軟性がつかなかったのかもしれません。
それが、競技を目指さなくなって「筋肉や腱の緊張」がなくなってきたので、前よりも柔軟性が向上したと言うことが考えられます。
では、最初から痛みを感じない範囲内でストレッチをやっていたら、同じように柔軟性が向上できたかどうかは分かりません。競技を目指していた時に頑張ったからこそ、その後、柔軟性が向上したとも考えられます。個人差もかなりありますので、一概には断言ができないというのが本当のところです。
私の場合でも、もっと柔軟性を向上させたいという気持ちはあるので、できるだけストレッチをする時間を取るようにしています。家でも、TVなどはなるべくストレッチをしながら見るようにしています。
しかし、ここ数年間は「頭打ち」状態です。全く進歩していないことはないのですが、時間をかけているほどは伸びていず「止まっているな!」という感じです。
それでもしばらくは今の状態を続けてみるつもりです。前述のインストラクターのように「それほど頑張らなくなったから伸びた」と思っています。(まあ、本当のところは分かりませんが…。)
ダイエットでも筋トレでも、「この方法がいい!」と勧めれれて同じように行ったからと言って同じように良い結果がでるとは限りません。
それが「個人差」というものです。もちろん他の人のやり方を参考にするのはとても大切なことですが、最後の最後は自分で試行錯誤しながら「答え」を見つけていくしかないのです。「答え」が見つかったとしても、そこまでの道のりは最短距離ではないでしょう。タイムマシンでもない限りスタートの時点に戻って「今度は最短距離を探そう!」というわけにもいきません。
ですから、ある程度「この方法で行こう!」と決めたら、少し時間をかけてみてください。そして自分が行っている方法の長所と短所を見極め、短所の方が大きければ次の方法を探してみてください。ちょっとやっただけで「効果ないな!」と答えを出してすぐ次の方法に移ってしまうのであれば、一生自分に合った方法が見つからないことにもなりかねません。
痛いのを多少我慢したのが吉と出るのか凶と出るのかは私には何とも言えません。自分で決めてみてください。その結果は最後には自分に帰ってくるのです。
A「勢いつけない」
ストレッチには「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」があります。「静的ストレッチ」はある状態で体を保持して筋や腱を伸ばすもので、一般的に「ストレッチ」というとこの「静的ストレッチ」を指すことが多いです。 それに対して「動的ストレッチ」は、反動をつけながら行うストレッチになり、いくつか種類がありますが、簡単に言うと「ラジオ体操」がそれにあたります。この「ながらストレッチ」でのストレッチは「静的ストレッチ」となります。
B「意識をする」
筋トレでもそうですが、使っている筋肉を意識できるかできないかで10〜15%ほど効果が違うそうです。(数字の方はどのようにして算出されたのかは分かりませんが…)ストレッチでも何となく行うのと、「今、この筋肉を伸ばしているんだ!」と意識するのでは当然効果の方は異なると思います。
一応、この「ながらストレッチ」では、何かをしながらストレッチをするということを前提にしていますので、ストレッチだけをしている時よりは意識しづらいかもしれませんが、伸ばしている筋肉を意識するに越したことはありません。
C「良い環境を作る」
「良い環境を作る」というのは「ストレッチをするのにより良い環境を作る」ということです。通常の運動前のウォーミングアップのストレッチであれば、体を温めてからということになりますが、「ながらストレッチ」をするのにわざわざウォーミングアップをする人もいないでしょうから、可能であれば、お風呂に入って体を温めてから行えれば、最高の環境作りとなるのではないかと思っています。その時は、「ビール片手に」にくらい許容範囲でしょう?!
多少なりとも柔軟性を向上させるための参考になれば、うれしい限りです。
想定としては「テレビを見ながら」「本を読みながら」「食事をしながら」のような感じになります。
【太ももの裏側=ハムストリングス】 ハムストリングスは太ももの裏にある細長い筋肉群の総称です。よく柔軟性を調べるときに、膝を曲げないで前屈などをして調べますが、それはこのハムストリングスの柔軟性を見ていることになります。
格闘技系のレッスンでのフロントキックや、バレエのグランバットマン、ヨガの横の前屈ポーズなどでもこのハムストリングスの柔軟性が強く求められるものがあります。 どうしても体をかがめようと背中を曲げてしまいますが、上半身は無理に倒す必要はないので、背筋を伸ばすことをなるべく意識してください。
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【太ももの前側=大腿四頭筋】
太ももの前面にある筋肉群を大腿四頭筋と呼び、非常に大きな筋肉群の集まりです。特に自転車を漕いだり、階段を上ったりするときに用います。エクササイズ等で積極的に使う場合は、しっかりとストレッチをしてほぐしてやりたいものです。
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・イラストは片足のストレッチだが、場合によっては両足一緒に行うことも可能。上半身をフロアに近づければ近づけるほど強度は上がっていく。 ・膝に負担がかかることもあるので注意したい。 |
太ももの内側面にあるのがで、長短合わせていくつかの筋肉によって構成されています。足を横に開脚することによってストレッチすることができます。
左右のスプリットはこの内転筋群が柔らかくないともちろんできませんし、まあ、そこまで柔軟性が必要としなくても、格闘技系のスタジオレッスンのサイドキックなどで必要とされる柔軟性です。内転筋群が硬いとなかなかサイドに足を上げることができません。
【大腰筋】 大腰筋は体の表面には出ていないインナーマッスルになり、膝を持ち上げるときに用いる筋肉群です。
お尻には、大殿筋、中殿筋、小殿筋があり、その名のごとく、大きな大、中の殿筋は、動かせば疲労も大きくなります。その場合はしっかりとストレッチしていきたいものです。
ふくらはぎはヒラメ筋と腓腹筋の2つの筋肉で構成されています。
その気になればイスに座りながらでもストレッチはできます。つまり、デスクワークをしながらでもストレッチはできるということになります。
太ももの内側面にあるのがで、長短合わせていくつかの筋肉によって構成されています。足を横に開脚することによってストレッチすることができます。 まあ、フロアで行うほどはストレッチ効果は薄れるとは思いますが、その気になればデスクワークをしながら行うことができます。
【太ももの裏側=ハムストリングス】
お尻には、大殿筋、中殿筋、小殿筋があり、その名のごとく、大きな大、中の殿筋は、動かせば疲労も大きくなります。その場合はしっかりとストレッチしていきたいものです。
【大腰筋】 大腰筋は体の表面には出ていないインナーマッスルになり、膝を持ち上げるときに用いる筋肉群です。
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以下にご紹介するのは、フロアに腰を着いてもイスに座った状態でもできるものになります。
また、格闘技系のパンチの動作でも肩周りの柔軟性があればいろいろな角度から繰り出すことができます。ヨガでも「牛面のポーズ」や「鷲のポーズ」などは、肩周りが柔らかくないと難しいです。
三角筋や僧帽筋の上部は発達させ過ぎると、物理的に肩の可動域が制限されますので、その点は注意してトレーニングしていきたいものです。
立っていても座っていても手軽にストレッチできる部位だと思います。自宅やオフィスのみならず、すいていれば電車の中でも可能です。ぜひ、こまめに行って柔らかくしてください。肩こりの予防などにも効果的ですし、四十肩や五十肩の予防にもなるかもしれません。
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・典型的な三角筋のストレッチ方法。三角筋は前部(鎖骨部)中部(肩峰部)後部(肩甲棘部)3つに分けることができ、それぞれ腕の上げ方によってストレッチする部位が異なる。 1. 中部(肩峰部)中心のストレッチ:イラストは左手を右手の前腕部に当てているが、より強くストレッチしたい場合には、肘よりも上部に当てると良い。 2. 後部(肩甲棘部)中心のストレッチ:上の1と同じように、ストレッチしている手の肘よりも上部に反対の手を当てるとより強いストレッチ感が得られる。 3. 中部〜後部にかけてのストレッチ:方法は上記の1,2と同じ。 |
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・片腕(又は両腕)を背部に回して引く形。僧帽筋の上部と三角筋の中央部をストレッチすることができる。 ・左のイラストのようにもう一方の手で引き、さらに頭を引いている手の方に倒すと、よりストレッチ効果は高まる。 ・また、右のイラストのようにイスに座って行う場合は、背もたれの縁などに手をかけてストレッチ効果を高めることもできる。 |
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首の周りには、僧帽筋(上部)、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、頭板状筋、または前斜角筋など、大小様々な筋肉が集まっています。特に肩こりのある方はお風呂上がりなどで筋肉が緩んでいるときにストレッチすることお勧めします。
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・頭を前傾させた形 ・手を頭頂部、または後頭部に軽く添えてやるとストレッチ効果が高まる。 |
・頭を横に傾けた形 ・前傾させた形と同じように手を添えてやるとストレッチ効果が高まる。 |
・頭を後傾させた形 |
いわゆる二の腕の筋肉になります。トライセプス・キックバックやトライセプス・プレスダウンなどの上腕三頭筋を集中的に鍛える種目でなくても、プッシュアップやベンチプレスなどでも使う筋肉です。 また、広背筋の外縁部のストレッチも兼ねます。
上腕ニ頭筋はいわゆる力こぶの筋肉でアームカールなどで用いる筋肉です。そして、前腕屈筋群は手首を内側に曲げる筋肉群で、リストカールではメインに使用していきますし、アームカールでも使われることが多いと思います。
前腕伸筋群とは、手首を外側に曲げる筋肉群のことです。
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胸部には大胸筋という大きな筋肉があります。二の腕の筋肉と並んで、男性が好んで鍛えていく筋肉の一つだと思います。 もっとも代表的なエクササイズがベンチプレスになります。また、用具を用いないボディウエイトトレーニングであれば、プッシュアップが代表的です。 特に使った後はしっかりとストレッチをしてあげてください。
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腹部の横は内腹斜筋および外腹斜筋で構成されています。また、そこから脇の下にかけては、個人差はありますが、広背筋の外縁部が前からでも確認ができます。
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・指を組んで頭上に伸ばした形 |
・指を組んで頭上に伸ばし、片側に倒した形 ・倒す側とは反対側の脇腹を強くストレッチする効果がある。 |
備考 |
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