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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

・ユースホステル諸事情

 

 

トイレ

 フィリピンでのユースホステルの利用は、前にも書いているが、マニラとバナウェしか記憶にない。もしかしたら他でも宿泊しているかもしれないが、その辺の記憶は非常に曖昧である。

 それで、マニラのユースホステルだと思うが、当時は1泊300円くらいだったように記憶している。部屋は相部屋で、2段ベッドであった。もちろん、「快適」「清潔」などと言う言葉とは無縁である。窓はしっかりと閉まらない、ベッドはキシキシと音を立てる、そして、蚊が多いなど挙げていくときりがないのだが、一番困ったのはトイレである。

 一応、洋式のもので座りづらいということはなかったが、排水の状態が非常に良くなかった。つまり、なかなか流れていかないのである。

 私の「菊のご紋様」から出た分身たちを「いってらっしゃい。気をつけてね!」と、彼らの旅立ちをレバーを引いて見送ろうとするのだが、時として往生際の悪い連中がいたりする。旅立つどころか排水が悪いため、水が便器の縁まで上がってきてしまうことがある。

 すると、「ご主人様、見捨てないでください!」と懇願するものや、「流されてたまるか!」と、「ド根性ガエル」化するものの叫びが聞こえてきたりするのである。私は、とてもじゃないが、そういう彼らの悲惨な状況は直視できず、受け入れることはできなかった。よって、そう言う場合は、「みんな、ゴメン!」と言って、速攻でその場を立ち去ることにした。

 

スタッフ

 ユースホステルのスタッフの一人がいろいろと話しかけてきた。それで、「住まいはすぐ裏のアパートなんだ。友達と一緒に住んでいるので、ちょっと遊びにおいでよ」と誘ってくれた。「スタッフだから変な目に会うこともあるまい。どんなところに住んでいるのだろう?」と少し興味があったので、ついて行った次第である。

 部屋の細部まではもう覚えていないが、そこそこの広さで、そこそこの清潔感がある部屋であったように記憶している。部屋も何部屋かあるようで、私が居間に通されると、別の部屋から男性が2人出てきた。スタッフの彼は、私に友達を紹介してくれたので「ハロー」と挨拶を交わした。

 しかし、一人は、普通の格好をした男性であったが、もう一人は化粧もしているようで、どう見ても今で言う「お姉系」であった。「あれっ、ちょっとまずかったかな?!」という気がしないでもなかった。適当に話をしていると、「お姉系」の方が「はい、コーヒーよ」とコーヒーを入れてきてくれた。

 最初は、「飲んでも大丈夫かな?」と多少のためらいはあったが、「スタッフだし」と言うことで頂くことにした。適当に話していると、紹介された男性2人が手とか握りあったりしているのが視界に入ってきた。私は、努めて見ない振りをし、冷静さを保つようにした。

 その内、スタッフの男性が、「ねえねえ、良かったら今晩こっちに泊まる?」と、全く予期せぬお誘いをしてくるではないか…。もちろん、「どうしようかな〜」なんて迷うことはなかった。非常に危険な香りのするお誘いであるのは間違いがなかった。「違う世界も覗いてみたい!」という気持ちは全くなく、頬をピクピクさせながら丁重にお断りし、適当に会話を終わらせて退散した次第である。

 

備考