トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)
・ゴールデントライアングル・トレッキングツアー(その1)
■ ゴールデントライアングル・トレッキングツアー(その1)■
「ゴールデントライアングル」とは、日本語にすると「黄金の三角地帯」となり、ミャンマー、タイ、ラオスの3つの国の国境にある山岳地帯のことを言う。そこではケシの栽培が盛んに行われている。チェンマイにある小さな旅行会社では、そのゴールデントライアングルへのトレッキングツアーを行っており、その一つに参加してみた。
私が参加したのは2泊3日の標準的なツアーであった。参加メンバーは、ドイツ人が3人、スイス人が2人、オランダ人が2人、オーストラリア人が2人、そして日本人の私にプラスしてタイ人のガイドが2人ついた。
まず、私たちは、100キロ以上離れたタイ最北の町であるチェンライに自動車で向かった。私の記憶が間違っていなければ、利用した車はピックアップトラックだったと思う。そして、男性陣は荷台に乗らなければならなかったように記憶している。
トラックがチェンライの市街地を抜け山岳部に入り、これ以上は車で進むのは難しいというところまで来ると、「さあ、ここから歩きます!」とのガイドの言葉、荷台組の男性陣たちは「やっと着いたか」と言う感じでトラックから飛び降り、デイパックを背負って靴の紐を結び直した。
「じゃあ、行きましょう!」とタイ人のガイドのリーダーが先頭に立ち、私たちは1列になって彼の後に続き、山道を歩き始めた。私は後尾から2番目で、最後尾はもう一人のタイ人のガイドであった。
最初は平坦な道で、人が歩きやすいように両側の木々は少なかったが、30分も歩くとちょっとした上り坂になり、場所によっては木々を分け入るようにして歩かなければならないところもあった。
山岳地帯と言ってもそれほど標高の高い山ではなく、普通のスニーカーで十分に歩くことができた。山を歩くというよりはちょっとした丘を歩いている感覚であった。そして、いくつもの丘を超えていかなければならなかったのである。
また、場所によっては川を渡ることもあった。川と言っても、深さは膝にかかるかかからないか程度のものであったが、当然、その都度裸足にならなければならなかったのは厄介であった。
まだ、明るいうちに1日目の目的地である小屋に到着した。もちろん、それは「山小屋」などという立派なものではなく、無人の高床式の小屋で、広さ的には10畳くらいはあったように思う。中には囲炉裏があった。まず、私たちは、夕食の支度をするための焚き木を集めなければならなかった。また、それらの焚き木は、小屋の中で夜、暖を取るためのものでもあった。
夕食はガイドが持ってきた食材を用いて作った。おそらく、鍋やフライパンなどの簡単な調理器具や食器などは小屋の中に準備されていたのではないかと思う。まず、焚き火を起こしてご飯を炊いた。そして、おかずは何を食べたのかはもう思い出せないのだが、野菜炒めあたりの簡単なものだったのではないかと思う。
食事が終わるころには陽も沈み、少しずつあたり夕闇に包まれていった。それと同時に気温が下がっていくのが肌で感じられた。私たちは、焚き火の明りをたよりに再び焚き木を集めた。そして、それらを火に投げ入れて身体を温めなければならないほど気温は下がっていった。
「さあ、もう寝ようか」とのガイドの言葉に、小屋の中に入ったのだが、焚き火の残り火を小屋の中の囲炉裏に移さなければならなかった。そして、私たちは、その囲炉裏の周りを囲むようにして寝た。一晩中、その火は絶やされることはなかったが、寒さでほとんど眠ることはできなかった。
備考 |
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