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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

・ゴールデントライアングル・トレッキングツアー(その3)

 

 

■ ゴールデントライアングル・トレッキングツアー(その3)■

 3日目の朝、起床をし朝食を取ると、当然、胃の中に物を入れっぱなしと言うわけにはいかない。出すものもしっかりと出さないと身体にはよくない。そこで、私はガイドに「トイレはどこ?」と聞いた。すると、彼の答えは「どこでも好きなところで」であった。

 そのような答えは全く予期していなかった。「どこでも」とはちょっと便利そうにも聞こえたが、「え〜、どこでやったらいいのだろう?」ということになる。「ここでしてくれ」と言われた方がはるかに気は楽であった。

 私はトイレットペーバーを持ちながら辺りをキョロキョロと見まわし、「近場でなるべく人目につかないところ」を探した。そして、ちょっとした茂みの影に隠れ、お尻をむき出しにしてしゃがんだ。しかし、落ち着いて出来るのもではない。「とにかく早く済ませよう!」と思いっきり力んだ。しかし、力みながら「村の人たちも同じようにしているのだろうか?」とちょっと疑問に思った。

 そして、何とか出さなければいけないものは出してスッキリし、トイレットペーパーを使ってお尻を拭いて、パンツとズボンを上げてその場を去ろうとした時のことである。ブーブーと豚の鳴き声がしたかと思うと、2匹ほどの豚が現れ、見事に私の出したものの始末をしてくれたのである。「いや〜、驚いてしまった」というよりは、「何と言うシステムなのだろう!」感動ものであった。どおりで、村人のものも見かけないわけだ!

 さて、ガイドの「出発します」の一言で、私たちはいつものように一列になり村を後にした。今日はツアーの最終日になるのだが、2つほどアトラクションが待ち受けている。2時間もあるいただろうか、林の中に大きな黒い影が見えてきた。そう、象である。3匹の象と象使いが、森の中の少し開けたところで私たちのことを待っていてくれた。

 ここらか象の背に乗って森の中を進むことになる。象の背中には、木で組まれたベンチのようなものが乗せられていてそこに3人が座ることができたが、私はその前の部分、いわゆる首の部分にまたがった形になった。お尻の下にはタオルのようなものが敷かれたので痛いことはなかったが、象の頭には太い毛が疎に生えていて、これに触るとけっこう痛いのである。

 乗り心地は、平坦な部分であれば見晴らしも良くなかなか快適だが、私たちが連日歩いてきたように丘を超えながら歩いていくので、上り坂はまだよいが、下り坂はかなり象の身体も傾くので落ちないように手を象の頭の上に押し当てて踏ん張らなければならなかった。

 乗ることにだんだん慣れてくると、のっしのっし歩く象の背中の揺れが心地よく感じられ、連日の睡眠不足もあって睡魔が襲ってきた。自分でもウトウトしているのが分かり、「こんなところでまずいな…」と思いながらもなかなか誘惑には勝てなかったが、「気を付けて!」の声で我に返った。後ろのベンチに座っていたツアーのメンバーの一人が声をかけてくれたのである。危うく下り坂でもないのに落ちそうになるところであった。

 小一時間も乗ったであろうか、幅が10m以上の川に到着すると、象の仕事はそこで終了となった。仕事を終えた彼らは、背の上の木のベンチが外され、川で象使いたちに気持ちよさそうに身体を洗われた。ご苦労様です!

 さて、象の次はいかだでの川下りが待っていた。川の流れ自体はそれほど急なものではなく、深さも、実際のところは分からないが、落ちても背が着くくらいのように思われた。よって、「大丈夫かな?」というような不安はなかった。

 ツアーのメンバーは3つほどのグループに分かれて、竹を組んで作られた真新しいいかだに乗り込んだ。ただ黙って乗っていればよいというものではなかった。各いかだには2本ずつ竹竿が渡され、それを使ってコーナーを曲がったり、障害物をよけたりしていかだをコントロールしなければならなかった。障害物を上手く避けるたびにそれぞれのいかだから歓声が上がった。また、場所によっては、高低差はたいしたことはなかったが、ちょっとした滝のようなところもあり、多少のスリルも味わうことができた。

 これも小一時間ほど乗ったであろうか、周りの山の高さもかなり低くなり、片岸が砂利となって少し開けたところに着いたところで終了となった。私たちを迎えにきた車が止まっていた。少し濡れたが、そのまま車に乗り込んで、スタート地点であるチェンマイに向かった。

 ツアーは、全員何事もなく戻ることができ、無事終了となった。ツアーを企画した旅行会社の前で下車をし、解散となったのだが、「シャワーなどを浴びてさっぱりしてから、打ち上げをしよう!」ということになった。私たちは、各々の宿泊している場所に一旦戻って久しぶりにシャワーを浴びた。そして、チェンマイの町中を流れるピン川沿いにあるレストランに再び集まり、夜遅くまで飲んだり食べたりして楽しんだ。

 

 

備考