韓国フィットネス紀行/四方山話
こんなレッスンを受けてみた@ ボディコンバット
ボディコンバットやボディパンプをはじめとする「ボディ〜シリーズ」だが、ネットでちょっと調べてみると、ニュージーランドのレスミルズインターナショナルという会社が世界に発信しているグループエクササイズプログラムで、もともとは「レスミルズ・プログラム」と呼ばれているようである。
A ボディパンプ音楽に合わせて、金属製のバーの左右に、丸いプレート式のウエイトをつけて行う持久力系の筋トレのレッスン。通常、「重さ」は目いっぱいプレートをつけても32kg前後なので、フリーウエイトなどと比べるととても「軽い」のだが、動作の回数が多いので「楽勝」などと侮ることはできない。 普段通っているフィットネスクラブでも、筋持久力系のレッスンは最低でも週1回は受けるようにしている。ちょっと前には週2回くらいの割合で受けていたのだが、最近は少しサボり気味。10間くらいまるまる受けないと、必ずと言ってよいほど翌日は両足の筋肉痛に見舞われる。 また、ボディコンバット同様、日本で受けているレッスンは45分だが、このボディパンプは60分である。この「プラス15分」というのはけっこう大きい。(辛い)何回か受けないとやはり身体が慣れていかないし、ウエイトもどのくらいを付けたらいいのか感覚がつかめないので、軽めのをつけて様子を見ることになるが、それでは自分を追い込むことができない。 かといって、勝手が分からないのに見栄を張って重いウエイトをつければ、「撃沈」するのは目に見えているので、ウエイトの調整には何回か受けてみる必要がある。 今回はなぜか3回しか受けなかった。これも、ボディコンバット同様、タイ、マレーシア以来となる。 ウエイトも様子見で終わってしまったが、頑張った種目が1つだけあった。何を勘違いしたのか、いわゆる力こぶの後の上腕三頭筋を鍛えるトライセプス・エクステンションの時に、大のプレートを片側に2枚つけたら、途中で辛いの何の、「おっしゃ!」「ウリャ!」とか声を出さないと持ち上がらなくなってきた。 それでも、何とか「撃沈」することもなく無事に終わり、上体を起こして鏡に映る自分の姿を見たら、上半身真っ赤で、まさに「ゆでだこ」状態であった。 やはりこのボディパンプもボディコンバット同様、受けている人の8割は女性であった。年齢的には下は20歳前後から上は50歳代までと、けっこう幅があった。 私が地元のフィットネスクラブで日曜日に受けているレッスンは、数えたことがないので正確性には欠けるが、男女比は半々くらいのような気がし、特に女性が多いレッスンという感覚はない。下は20歳前後から上は60歳前後までと幅広い年齢層の人たちが受けている。 この3回受けたレッスンだが、インストラクターはすべて1人であった。内容も「世界標準」なため、他の国で受けたものと比べて特に変わったところはなく、韓国語が理解できなくても問題なく楽しむことができる。 しかし、このスタジオの周りにはフリーウエイトのマシンが並んでいるので「ムッチョ・マッチョ」な男たちがウエイトトレーニングをしているのであるが、彼らにも一度は、ボディパンプのような筋持久力系のレッスンを受けてみることを勧める。 たぶん、「あんな軽いウエイトでトレーニングなんかできるか!」という感じでレッスンを見ているのだと思うが、甘く見ているとこれがけっこう辛い。 普段通っているフィットネスクラブでこういうことがあった。いつもベンチプレスで140kgから150kgを挙げているような、見るからにビルダー系の男性が、めずらしく私が受けている筋持久力系の45分のレッスンを受けようとスタジオに入ってきたのである。 「めずらしいな。どういう感じでレッスンを受けるのかな?」とちょっと気になっていた。 私のほうはもう慣れているレッスンだったので、スクワットやベンチプレスで足や胸の太い筋肉を鍛えるときはこれくらいのウエイト、二の腕や肩などの細目の筋肉を鍛えるときはこれくらいと要領が分かっていた。もちろん、そのときの体調に合わせて調節はしたが…。 彼は、このようなレッスンは初めてらしく、いくらフリーウエイトなどで筋トレには慣れてはいるといっても、勝手が違うということは分かっているようで、ウエイトも目いっぱいつけず、少し軽めで様子見という感じであった。 音楽に合わせながらエクササイズをしていくのであるが、45分のレッスンだと使用する曲は5曲となる。 1曲の長さはどれくらいなのか正確なところはわからないが、5分以上はあるであろう。その1曲の中で、足のエクササイズを最初から最後までやることもあれば、「胸から腕」のように途中で鍛える部位を変えることもある。 「太い筋肉から細い筋肉」「細い筋肉から太い筋肉」と鍛える部位を変える場合は、途中でウエイトを調節しなければならない。 そのビルダーの彼は私よりも軽いウエイトではあったが、1曲が終わるごとにウエイトをフロアに「ドンッ!」と投げ出し、ヘトヘト、ヨレヨレ状態となっていた。さすがに懲りたみたいで、その後、そのレッスンで二度と彼の姿を見ることはなかった。 もちろん、「慣れ」もあるので、何回か受けていれば徐々に身体が慣れてきて、ウエイトも増やすことができただろうし、1曲終了ごとの疲労感も大分違ってくると思う。 逆に、フリーウエイトなどでは、私は彼の足元にも及ばないと思っているが、あまりにもフリーウエイトだけのレッスン、つまり重い負荷をかけて筋肉を太くするだけのレッスンだと、レッスン内容がその範囲であればよいが、そこから外れてしまうと全く対応できなくなってしまう可能性が大きくなってくる。 「とにかくオレはムッチョ・マッチョになりたいんだ!」ということであれば何も言うことはないが、「身体にメリハリをつけたい」ということであれば、重い負荷をかけるレッスンと平行してボディパンプのような筋持久力系のレッスンをお勧めする。 2つを並行することによっても十分に身体にメリハリはつく。そう究極の「ハイブリッドボディ」を手に入れることができるのである!
B ボディバランス「太極拳」「ヨガ」そして「ピラティス」と3つのパートを持つレッスンで、どちらかというと女性向けというのもあって、受けている人の9割以上が女性であった。太極拳のスローな動きから入り、身体を温めながら関節の動きを高めていく。そして、ヨガのポーズを取り、後半で身体のコアを鍛えるピラティスの動作が入り、クールダウンとしてまた太極拳の動きと簡単なストレッチがあって、最後は瞑想でレッスンが終了する。 「寄せ集め」的なところは否定できないので、「ヨガを目いっぱいやりたい。」などそれぞれのレッスンを集中してやりたいという人には中途半端に感じられてしまうかもしれないが、特にそのようなこだわりのない人には60分というレッスンの中で「バランス」「柔軟性」「呼吸法」など一通りトレーニングできるレッスンとなっている。 個人的には困難な動作はなかったが、ヨガのポーズでは「こんなのまでやるの…」と、普段のヨガのレッスンでも出てこないようなポーズがあったので、別のところで紹介したいと思う。
C パワーヨガ地元のフィットネスクラブでは、最低でも週に1回、通常は2回くらいはヨガのレッスンを受けている。多いときは週3回受けることもあり、時間も45分と60分である。レッスンの名称としては「ハタヨガ」「パワーヨガ」そしてただの「ヨガ」となっている。それぞれに特徴はあるのであろうが、3つのレッスンの間に「ここが全然違うな!」と思うほど極端には感じられない。 ただ、ここ韓国で受けたパワーヨガのレッスンは違っていた。正直言ってパワーヨガがどんなヨガなのかあまり理解していないので、この韓国で受けたパワーヨガのレッスンが本当のパワーヨガのレッスンかどうかは定かではないが、日本で受けるパワーヨガのレッスンとはかなり内容が違っていた。 どこが違うかというと、とにかくポーズを取る時間が「長い」。最低でも、1ポーズ1分はかけるので「筋肉に効くー」「柔軟性に効くー」ヨガで、別の言い方をすれば「ちょっと根性を入れないと受けれないヨガ」のレッスンなのである。 まあ、1分間ポーズが取れないと竹刀で叩かれるというわけではないので、辛ければお休みを取ればよいわけだが、やるからには最後まで持ちこたえたいというのが本音。特に、筋トレなどをした後には「ヨッシャ!」と気合を入れないとスタジオにはなかなか入っていけない。 「筋肉に効くー」は主に足の太ももの筋肉、「柔軟性に効くー」は主に太ももの裏のハムストリングとなる。 例えば、「Warrior T・U」では、曲げている足の膝の角度を変えることによって強度を調節することができるのだが、90度まで曲げた状態を保とうとするとかなり太ももの筋力が要求される。 地元の普段のレッスンでも必ずと言ってよいほど出てくるポーズなのだが、普段のレッスンでこのポーズをどれくらいの時間保っているのかあまり気にしたことはないが、30秒くらいでもけっこう足にくる。 これが1分から1分30くらいになると30秒の比ではなくなる。まず、曲げている足がガタガタと小刻みに震えだし、だんだんと振るえが大きくなり、そうなると全身のバランスが取れなくなってくる。そうなると「一休み」という感じで、一度曲げている足を伸ばして10秒くらい休みを取らないと続けられない。 地元のレッスンでは、途中で辛くて休みを入れるというのはあまり記憶にないのだが、このパワーヨガのレッスンでは何回かやらざるを得なかった。 また、「Feet-on-Hands Pose」あたりも、1分以上もやらされたので「ううう、いててててー」と途中で両手を膝の上に置き、一息つくことになってしまった。 こういうレッスンもタイ以来である。このカリフォルニア・ワウだけなのか、それとも他のフィットネスクラブもそうなのかは分からないが、特にヨガのレッスンに関しては日本と韓国、タイ、マレーシアではフィットネスクラブ側での考え方が少し違うような気がする。 日本では、根本的に「難しいポーズを取らせて、けがでもされては困る」という考え方があるようで、無難なポーズでレッスンを組み立てていくが、こちらでは「ポーズを取るか取らないかは、本人が決めることであり、それに伴う怪我などはあくまでも本人の責任」という考え方で捉えているように思われる。 それぞれにメリット、デメリットがあるので、「どちらが良くて、どちらが悪い」とは言えない。でも、決してうまくできているわけではないと思うのだが、やり慣れたポーズばかりだと「もうちょっと刺激が欲しいな。」という欲みたいなものが出てくるのも本音かな・・・。
D キックボクシング正式名称は「J-Kickboxing」とありJは何を意味するのか分からないが、もしかしたら時間割に掲載されているインストラクターの名前が「Jeon」とあるので、その頭文字を取ったものかもしれない。週1回だけ(月曜日の8時20分から1時間)のクラスで、2回ほど受けたが、両レッスンともインストラクターは男性2人に女性1人の3人であった。そして、この3人のインストラクターであるが、他の曜日には一切見かけなかったので、このアプクジョン店にはこのレッスンのためだけに来ているのかもしれない。 2週間も通えば「あの人、また来ているな。」みたいな感じになってくるが、この「J-Kickboxing」にしか出ていない人もいるようで、他のレッスンでは顔を見かけない人も何人かいた。一人、最前列に「若くて」「すらっとして」「チャーミングな子」がいたのだが、残念・・・。 さて、レッスンの内容だが、「キックボクシング」とあるので、パンチは「ジャブ」「ストレート」「フック」「アッパー」の組み合わせ、そしてキックは「サイドキック」「フロンキック」「回し蹴り」と「ニーキック」、後はキックボクシング特有の「肘打ち」があった。 これらの動作を組み合わせ、音楽をかけながら身体を動かしていくのだが、ボディコンバットのようにレッスンの後半でプッシュアップ(腕立て伏せ)やシットアップ(腹筋)が入ったりすることはない。 ひたすら、パンチとキックを打っていく。曲と曲の間のインターバルも短いし、日本のように「さあ、水分を補給してください。」という時間もなかったような気がするので(ちょっと記憶があいまい)、目いっぱい身体を動かしていくと、かなりしんどいレッスンとなる。 もちろん、曲の途中でも適度に水分を補給したり、汗を拭いたりするのだが(特に汗は拭かないと、自分の周りがビチョビチョになり周りの人にかなり迷惑をかけることとなる)、それでもレッスンの後半4分の1は汗ビッショリのヘトヘト状態。特に、ニーキックを続けていると、足の付け根に疲労がたまるので、前半ほどは勢いよく上がらなくなってしまう。 レッスンが終わってロッカーに向かうときはクタクタ状態で、「疲れたな〜。」の連発である。 でも、1週間に1回くらいはパンチとキックだけの60分のレッスンを受けるのも刺激的で良いと思う。
E シェイプアップダンベルを使った筋持久力系のクラス。スクワット、フロントランジ、カーフレイズという足の種目から、お腹はマットを使いシットアップ(腹筋)、胸はプッシュアップ(腕立て伏せ)、その他、背中、肩、腕など全身くまなくトレーニングをした。有酸素的な運動は少なく、とにかく全身の筋肉をシェイプアップというクラスで、特別問題はなかったように思う。
F イントロ・ステップ「難しかったら・・・」と一抹の不安を抱えながら受けてみたが、「ベーシックステップ」「マンボステップ」「Vステップ」「タップアップ」「レッグカール」「ニーアップ」「スリーリピーター」などベーシックな動きをメインにしたコンビネーションだったので、問題なついていくことができたし、気持ちよく汗もかくことができた。しかし、ここのカリフォルニア・ワウのアプクジョン店はできて6年目ということであるが、マシンなどの設備は非常に充実しているのだが、ステップ台がちょっとお粗末。ところどころラバーなどもはがれているし、台の4隅についている滑り止めの丸いラバーもほとんど効かなくて、ステップを踏んでいるうちに台がずれていくので、ときどきもとの位置に戻さなければならなかった。(きれいにステップが踏める人はそのような必要はないであろう。)
G レッスンを受けてみてレッスンのレベルや内容はさほど日本と変わらず、どのクラスも違和感なく受けることができた。そのほかレッスンとして、受けはしなかったが、「ブレイクアウト」「ボディジャム」「オール・ザット・ジャズ」「ベリーダンス」という名前のレッスンが時間割に記載されていたが、全てダンス系のレッスンだと思われる。 「ベリーダンス」があるなんて面白い。機会があったら一度はやってみたいと思っていたのだが・・・、残念である。 そして、いわゆる「エアロビック・ダンス」にあたるレッスンがないのである。日本でもあるエアロのインストラクターから「最近、エアロをする人が減ってきて・・・。」という話を聞いたことがあるが、もしかしたら韓国でも同じような事情があるのかもしれない。 時代と共にスタジオレッスンの内容も変化している。私がスタジオを利用し始めたのは13年ほど前になるが、そのころは格闘技系のレッスンやヨガのレッスンなどは一切なかった。そのうちにボクシングやキックボクシングなどの格闘技系のレッスンが始まり、音楽に合わせて行うボディパンプのような筋持久力系のレッスンが出てきた。 そして、ほんの2、3ほど前からヨガやピラティスがブームとなってきた。さて、次はどのようなレッスンがはやるのであろうか、楽しみである。たまには日本が世界に発信してみることはできないだろうか、と思う今日この頃である。
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