四方山話

        

韓国フィットネス紀行/四方山話




ナムサンゲストハウス

 ソウルの最初の宿であるナムサンゲストハウスにはネットで調べて3日間の予約を入れていた。ガイドブックの「地球の歩き方」にも載っているゲストハウスで、ネット、ガイドブック共に旅行客に好印象を残している。
宿泊した部屋はダブルで1泊朝食付きで40,000ウォンで、日本円にすると約5,400円。
もっと安く宿泊しようと思えば、ドミトリー形式のゲストハウスであれば15,000万ウォンくらいからあるようだし、個室でももっと安いところはあったが、「宿泊条件」として「ソウル中心部に近い」ということと「個室でトイレ付」というのがまず第一にあった。
結局は2日間の延長を加えて5泊することになる。また、延長した2日間はツインの部屋に移動しなければならなかった。ツインと言ってもベッドは2段式になっていて、利用するときに下に収まったベッドを引き出して使うことになる。
部屋の広さはダブル、ツイン共に6畳あるかないかと言ったところで、決して広いとは言いがたい。一応、TV、エアコン、扇風機、ミニ冷蔵庫はついていて、バスタブ付の洗面所となっていた。(部屋によってはバスタブがないのもあるようである。)
あと、ヘヤドライヤーやブラシ、シャンプー、石鹸、歯磨き粉(ペースト状)等の備品も備わっているが、これらのこまごましたものは、法律上備え付けなければならないようになっているみたいである。
朝食は、共用スペースがあり、そこにメインとしてパンとカップめんが用意されている。パンはトーストにもできるし、カップめんの場合は浄水器(温水、冷水)があるので、そこからお湯を注ぐ形になる。
しかし、このカップめんだが、種類は1種類のみで、パッケージには「辛」の漢字がプリントアウトされていて見るからにからそう。「朝からそんなもの食えん!」という感じで食指が伸びるはずがない。
また、飲み物としてはコーヒーやお茶もあるし、バター、ジャムなどパンにつけるものも用意されているので、「好きに食べて飲んで!」と言ったところである。
洗濯機も無料で使うことができるので、長期の滞在者や私みたいにフィットネスクラブで汗をかいて洗濯物が毎日出るような者にはかなり助かる。共用スペースにはPCが2台設置されていて、好きなときにネットなどを利用することができる。
スタッフの中にも日本語を話す人が2、3名ほどいて、韓国語も英語も話せない人にはかなり助かる。
唯一残念なのが、部屋の窓である。これが「小さい」。プラス、窓の半分がエアコンで埋まっているので、かなり採光が制限される。昼間でも電気をつけないと薄暗いし、風通しというものは一切なので、部屋の中はこの時期でもかなり暑い。
朝起きると、肩から首にかけてTシャツがビッショリになっている。エアコン、扇風機ともタイマーが効かないようであったので、就寝中は使用をしなかった。
もともとは民家だったところをゲストハウスに改装したようで、つくりも複雑である。従って部屋によっては窓が、外に面していないものもある。私の部屋は外に面していただけラッキーだったのかもしれない。
韓国は1998年のソウルオリンピック、そして2001年の日韓共同開催のワールドカップと国を挙げての一大イベントの開催を前にして、「海外からのお客様が宿泊できる施設は十分なのだろうか?」という不安があったようで、国としても、今回私が宿泊したようなゲストハウスのように、一般民家を海外からのお客様の受け入れ場所として改装することを奨励したようである。
海外からの観光客がみんな裕福とは限らない。事実、私のようなボンビーなものもいるので、そのようなものからするとこれらの安く宿泊できるゲストハウスは非常に助かる。
また、料金的にも助かるが、それ以外でもホテルにはない雰囲気がゲストハウスにはある。共用スペースでは他の旅行者とコミュニケーションをとることができるし、スタッフにも気楽に声をかけ、ありきたりな話や観光情報などを収集することもできる。
このナムサンゲストハウスにもけっこうリピーターで利用している人も多いようである。スタッフもオーナー以外は20代が中心で、日本語を上手に使っているスタッフは、通常の日常会話を覚えたというレベルではないので、もしかしたら日本語を専攻している学生かもしれない。
小雨が降っている中、出かけようとしたら「この傘を使ってください。」とビニール製の傘を差し出してくれた。「たくさん降るようだったらコンビニで買うから・・・。」と断ったが、「お金もかかるし」ということで、再度勧めてくれたので、お言葉に甘えることにした。
また、ある日、「体格がいいですけど、身体を鍛えているのですか?」と聞かれたので
「ええ、ちょっと。ソウルでもフィットネスクラブに行っているんですよ。」
「そうなんですか?じゃあ、お腹はシックスパックですか?」
と聞かれたので、一瞬「シックスパック?」と意味が分からなかったが、「ああ、割れているか?」ということを聞きたいのかと思い、「まあ、ちょっとは・・・。」と言うと「見せてくれ。」と言ってくるではないか。
さて、困った。一応「ちょっとは」と答えた手前、「いやーん、恥ずかしい!」とも断れないし、見せて「なーんだ。」という反応も格好が悪い。
しょうがないので、Tシャツをめくると同時に少し前かがみになり、お腹に力を入れたので多少は割れて見えたのであろう、一応「おおおお・・・。」とは反応してくれた。
このようにちょっとしたホテルでは味わえないものがゲストハウスにはある。「ゲストハウス、バンザーイ!」「ゲストハウスは永遠に不滅である!」


ナムサンゲストハウス外観。ミョンドンの駅からナムサンに向かう丘の中腹にある。左側のレンガ色の建物の中に受付とメインの客室がある。正面の白い建物は多分オーナーの住居と思われる。



宿泊したシングルの部屋。窓は、一応外には面していたが、半分は「何年前の?」と聞きたくなるようなエアコンで埋まっていた。よって風通しはゼロ。ただ、扇風機があったのは助かった。



洗面所。一通り必要なものは揃っている。毎日のようにフィットネスクラブでシャワーやジャグジーに入っているので、バスタブにお湯を入れることは一度もなかった。日本の毎日の生活でも自宅のフロに入るのは、月に1回あるかないかといったところ。



2泊したツインの部屋。しかし、ベッドはちょっとお粗末。2人で宿泊する場合は下のベッドを引き出して使用する。脚の部分がそんなに太くないので、上のベッドに寝ていてもキシキシと音がするくらい。


<<戻る  │  TOP  │  次へ>>