四方山話
     

       

韓国フィットネス紀行/四方山話



 


イムズハウス

 韓国を訪問する前に3泊の予約を入れておいたナムサンゲストハウスには2泊の延長を入れて計5泊した。このナムサンゲストハウスから短期の会員になったカリフォルニア・ワウのアプクジョング店までは以下のように地下鉄を利用することになる。
・ナムサンゲストハウス ⇒ ミョンドン駅(徒歩8分)
・ミョンドン駅 ⇒ チュングムロ駅(地下鉄4号線で1駅、2分)
・チュングムロ駅 ⇒ アプクジョン駅(地下鉄3号線で5駅、12分)
・アプクジョン駅 ⇒ カリフォルニア・ワウ(徒歩15分)
電車の待ち時間なども含めるとドア・トゥ・ドアで40分から45分といったところである。
ただ、帰りは早くてもフィットネスクラブを出るのが10時過ぎになるので、電車の本数も少なくなる。特に乗り換えに時間がかかり、へたをすると1時間近くかかってしまう。
部屋の環境を変えたいというのもあって、別の場所に新しく宿を探すことにした。
フィットネスクラブまで徒歩で行けるようなところに宿泊するのがベストであるが、クラブの周辺はシャレたカフェやブティックなどが立ち並び、少し離れたところは高級住宅街となっていてホテルらしきものは見当たらない。
そもそもナムサンゲストハウスのあるミョンドンはジョングノ区の中にあり、カリフォルニア・ワウのあるアプクジョンドンはカングナム区にある。そして、この2つの区は漢江という大きな川に隔たれている。
そして、ソウルの主な名所、旧跡は漢江の北側、つまりナムサンゲストハウスのあるジョングノ区に集中している。そのために旅行者の宿泊できるようなホテルも多い。うれしいことに私のような貧乏旅行者のためのゲストハウスが多い。
漢江よりも南に位置するフィットネスクラブのあるカングナム区にはネットで調べる限りゲストハウスのようなものは見当たらない。「地球の歩き方」によると「ホテル」と名の付くものは高級ホテルばかり、ネットで「格安ホテル、カングナム区」で検索するとシティホテルがひっかかってくるが、一番安いところでも1泊1万円強、それでも地下鉄を利用しなければならない。
また、「モーテル」であれば6,000円から7,000円で宿泊できるみたいで、ネットには「一人旅で利用したが、特に問題はなかった」などと書いてあり、いくつかネットでも予約ができるみたいだが、正直言って気が進まない。
よって、地下鉄を利用するのは仕方がないとして、何とか「乗り換えるのは避ける」ということで、漢江よりも南に位置するジョングノ区で別のゲストハウスを探すことにした。ジョングノ区であれば「気球の歩き方」にもいくつかゲストハウスが載っているし、事前にネットでチェックをしている。
「乗換えをしない」ということは、フィットネスクラブは「地下鉄3号線」のアプクジョン駅から歩くのだから、その沿線でということになりそんなに選択肢があるわけではない。そこで「地球の歩き方」に載っていて、事前にネットでも調べておいた「イムズハウス」というところに行ってみた。
このイムズハウスだが、「地球の歩き方」には次のように説明されている。
「個室のみのホテル風ゲストハウス:昌徳宮の正門、敦化門近くの閑静なエリアにある。モーテルを改装しているので、客室はダブルとツインが主体。オーナーのイムさんはホテルで働いたことがあり、ワンランク上のゲストハウスを目指したという。1階には自由に使えるキッチンやパソコンがある談話室がある。」
「個室のみのホテル風」「閑静なエリア」「ワンランク上の」という言葉が目を引いた。また、ガイドブックには「地下鉄3号線、アングック(安国)駅から徒歩5分」とあり、十分に許容範囲内である。
地図を頼りに少し迷ったが、建物の前に「Yim(林)'s House」という案内板が出ていたので、それと分かった。ガラスのドアを開け、人がすれ違うのがやっとというくらいの通路が3mほどあり、受付はその右手にあった。もともとモーテルなのだから「ロビー」などというものは必要ないのであろう。
受付の中には42、43歳くらいの男性がいた。
「こんにちは。泊まる場所を探しているのですが…。」
「いつからですか?」
「明日から泊まりたいのですが…。」
「何泊しますか?」
「えーと、とりあえず4泊で、そのあと延長するかもしれません。」
「そうですか。どこから来ましたか?」
「日本からです。」
「日本人ですか?」
と今まで英語で話していたのが、急に流暢な日本語に変わった。この男性はここの経営者のイム(林)さんであった。
「ツインの部屋なら空いています。本当なら1泊44,000ウォン(約5,866円)ですけど、40,000(約5,333円)でいいです。」
「部屋を見せていただけますか?」
「いいですよ。」
とツインの部屋に案内してもらった。決して広いとは言えないが、清潔感もあり、大きいとは言えないが窓もあり採光も許容範囲である。もちろん洗面所も各部屋についているし、バスタブもある。
「気に入りました。宜しくお願いします。カードは使えますか?」
「大丈夫です。」
ということで、翌日移動し、以降帰国までずっとお世話になることになる。
ナムサンゲストハウスのように無料の洗濯機はなかったので、バスタブと洗面台で毎日出る洗濯を済ませていた。また、私の部屋は最上階の5階で、その上は屋上となっていた。
「洗濯物を屋上に干してもいいですか?」と初日に聞いたところ、「ホテルの洗濯物や家族の洗濯物もあるので、少しなら…。」とあまりいい答えをもらえなかった。あとで文句を言われるのはいやだったので、洗面所やハンガーにかけて部屋に干していたところ、「屋上、自由に使っていいですから。」といってもらい、気兼ねなく使わせていただくことにした。
毎日晴天に恵まれていたので、手絞りで脱水が十分でなくても3、4時間ですっかり乾いていた。
また、取り忘れたときなど、取り込んでもらったことも何回かあり、ご迷惑をかけてしまった。
宿泊した部屋でただ1つだけ気になったのが、部屋の中の温度であった。ナムサンゲストハウス同様、風通しがなかったので部屋の中は「蒸し暑い」のである。連日、昼間の最高気温は30度近くまでいったと思われるほど良い天気が続いたので、昼間は仕方がないにしても、夜になるとかなり過ごしやすくなり、外は、ときにはTシャツ1枚では「何か上に羽織ったほうがいいかな?」ということもあるくらいであった。が、部屋の中は暑い。
「風通し」の問題もあるのだが、これもナムサンゲストハウス同様、狭い部屋の割には熱を発する機器があるためである。
小型の冷蔵庫にプラスしてミネラルウォーターの給水機が設置されていた。このミネラルウォーターの給水機だが、いつでも冷水と温水が出るようになっている。つまり、エアコン同様、冷水を作るにも熱を発するし、温水もしかりである。特にカップ麺などを食べるときには重宝したのだが…。
その「暑さ」対策として、扇風機はなかったが比較的新しい横長のエアコンが付いていた。ただ、個人的にはエアコンはあまり好きではなく、自宅の自分の部屋には生まれてこの方エアコンというものをつけたことがない。
居間にはエアコンがあることはあるが、夏場、1度も使用しないことがほとんど。今年は猛暑というときでも2、3回試しに(?)使うか使わないかといったところ。犬を飼っていたときには、老犬になり、夏場「ゼーゼー」いうお犬様のために使用していた次第である。
まあ職場でない限り、自宅ではTシャツやタンクトップのような涼しい格好で過ごせるので、扇風機で十分である。
そう、その扇風機がイムズハウスにはなかったのである。よって昼間はエアコンの設定温度を27、28度にして使用。そして夜だが、網戸がかかった窓から入ってくる外気はひんやりして気持ちが良いのだが、残念ながらそれだけでは部屋の中の暑さ対策にはならない。もともとモーテルのためか、窓は大きくは開口できないし、ベッドとは若干離れている。
また、エアコンのリモコンにはタイマーらしきものがついていない。仕方がないので、どうしても暑くて眠れないときは、設定温度を30度にし、ほとんど「扇風機」状態で寝るのだが、風が直接身体に勢い良くあたるので、結局は就寝中目が覚めてリモコンのスイッチをオフにすることになる。
朝起きると、Tシャツの首の周りや脇の下が汗で色が変わっている。このまま一日この格好でいるわけにはいかない。外に出て、日本の「オヤジ臭」をばら撒きながらソウルの町を歩くわけには行かないので、毎朝、Tシャツを取り替え洗濯物を増やすことになってしまうこととなった。
【イムスハウス概要】
・各部屋の料金だがイムさんからもらった料金表には次のようになっている。
シングル:30,000ウォン ダブル:38,000ウォン ツイン:44,000ウォン
トリプル:48,000ウォン
最初に「ツインで1泊40,000ウォンでカードの使用OK」という条件でチェックインしたのだが、途中でご主人から「ツインの40,000ウォンは特別割引なので現金で支払って欲しい。」と言われた。私としては特に問題はなかったので快諾をした。こちらも延長を申し出た際に「ダブルにして欲しい」というリクエストを伝え、それに対しては「空室ができたら」ということでご主人からの返事待ちだったが、「ツインをダブルの38,000ウォンで構わない。」という提案に首を縦に振った次第。
結局、同じツインの部屋に1泊38,000ウォンで12泊したことになる。ただ、宿泊料金に関しては季節や混み具合によって変わってくるだろうから参考程度にして欲しい。
地上5階建てのビルで、1階はフロントと談話室、その談話室にはPCが3台置いてあり自由にネットなどができる。また、浄水器や冷蔵庫やテーブルなども置いてあったが、ガイドブックに記載された「キッチン」らしきものは見当たらなかった。(別の場所にあるのかもしれない。)
2階から5階までが客室になっているようだが、建物の形から見てどの階も同じような作りになっているように思われる。私の部屋は5階にあり、5階には6部屋あったように記憶しているので、総客室数としては24部屋くらいになるはずだ。
各部屋の大きさだが、自分が宿泊したツインルーム以外は見ていないのでなんとも言えないが、料金設定から見て、シングルとダブルではやはりシングルの方が若干狭いのではないかと思われる。
また、ダブルとツインは部屋の広さは同じであろう。そして、トリプルであるが、私が宿泊したツインの部屋の大きさではもう一つベッドをおくことができないので、ダブルやツインよりも広く、3つ分のベッドが置ける大きさになっているはずである。
今まで書いてきたことと重複するが、宿泊した部屋には次のような設備がある。
・小型の冷蔵庫   ・浄水器(冷水、温水)   ・エアコン
・テレビ(チャンネル数はさほど多くはないがケーブルが引かれていてNHKのBS,ディスカバリーチャンネルや映画専用のチャンネルなどを視聴することができる。)
・電話(一度も使用していないので外線がかけられるかどうかは不明)       
・ベッドルームの備品として、ヘアードライヤー、くし、ハンガー、鏡など
・バスタブ、シャワー付洗面所
・洗面所の備品として、シャンプー、ボディソープ、石鹸、練り歯磨き、コップ、バスタオルなど
また、毎日のベッドメイキングの際にスティック状のコーヒー(砂糖とクリームが入ったもの)が2包置かれていた。

 


 

イムズハウス外観。もとのモーテルを改装してそんなに年月は経っていないようで、きれいです。



宿泊したツインルームのベッド。必然的にベッドの1つは荷物置き場に。贅沢を言わせていただくと、もうちょっとベッドとベッドの間にスペースがあったら良いのだが…。



宿泊したツインの部屋のベッド側から撮影。TV、小型冷蔵庫、浄水器など必要なものは一通り揃っている。



洗面所。毎日、バスタブの中で洗濯物を済ませていた。壁などは光沢のあるタイルを使用していて清潔感がある。



屋上よりナムサンを眺めて。中央右寄りにタワーが見える。



イムズハウスの屋上から撮影。まだ、昔の町並みが残っていて、伝統的な瓦を使用しているのが分かる。



イムズハウスから徒歩3分のところにある昌徳宮(チャンドックン)。中は自由に見学することができず、ツアーに参加するかたちになる。よって「面倒くさいな」という悪い癖が出て、毎日のように前は通っていたのだが、一度も見学していない。


<<戻る  │  TOP  │  次へ>>