ボディコンバット・マラソン(120分)
今週(2月11日、日曜日〜)はイベント週間のようである。スタジオ1で「ボディジャム・マラソン(120分)」「ボディコンバット・マラソン(120分)」、スタジオ3で「ハイ・アンド・ローインパクト・マラソン(120分)」、「ポップダンス(60分)」と通常ではないようなクラスがスケジュール表に載っている。
なぜだろう。14日のバレンタインデーのせいだろうか?スケジュール表をよく見ると、ハートやキューピット、または男性が女性に花束を渡しているイラストなどが描かれている。
それとも、チャイニーズ・ニューイヤー(春節)が週末に迫っているからだろうか?市内にはチャイナタウンもあるし、華僑の人もそこそこはいるようである。
なお、こちらのバレンタインデーだが、日本独自のように「女性が男性にプレゼントを贈る日」ではなく「好きな人に愛を告白する日」のようである。
もちろん私みたいな中年のオジさんになると「バレンタインデー」などは一切無縁で、特に海外にいるということもあり存在すら忘れていた。
だが、前日または当日は、歩道を歩いていると、やたらと花を扱った普段では見られない屋台が目に付き、それと気がつかされた次第である。男性が花束を買い求めている光景もよく目にした。
また、14日当日は、宿の受付の女の子が男女関係なく宿泊客に「Happy Valentine!」と言ってキャンディーを配っていた。
さて、話を元に戻そう。4つあるイベントの中でも受けられそうなのは1つだけ、そう「ボディコンバット」以外に選択肢はない。「ハイ・アンド・ロー」なんか受けたら、ほぼ120分ずっと、みんなの動きをスタジオの中で見学するようになる羽目になる。
よって、ここからは、夜の7時20分から始まる「ボディコンバット・マラソン(120分)」のレポートとなる。(ちょっと大げさですが…。)
スタジオはほぼ「満員御礼」状態で60人くらいは入っていると思もわれるが、その9割前後が女性であった。
日本ではどうだろうか。私が何回か受けたボディコンバットでは、受けたときはあまり深く考えていなかったので記憶は曖昧だが、男女比は半々か、もしかしたら女性のほうが若干多いこともあるかなという印象はある。
また、私が通っているフィットネスクラブでも45分の格闘技系のクラスがあるが、改めて考えてみると、若干、女性のほうが多く受けているような気がしないでもない。
まだ、男性の中には「スタジオレッスンは女性が受けるもの」という印象を持っている人もいるのかもしれない。
まあ、スタジオレッスンといってもいろいろな種類があるので、一まとめにはできないが、私も、生まれて初めてのエアロのレッスンを受ける前は「エアロなんて女性がやるもの」という印象しかなかった。
でも、ちょっとしたきっかけで受けるようになり、最初は苦労したが、慣れて楽しさが分かってくると「エアロ、気持ちいいー!」となり、その印象は180度変わるものである。
まだ、ここタイでは、「スタジオレッスン=女性が受けるもの」というような感覚が強いのかもしれない。通常のレッスンも女性の割合が多い。そして、女性は友達に「ね、ね、一緒に受けようよ。」などと誘うケースも多いのだろう。クラス内は「女性、女性、女性」と女性が増殖してしまうのである。男性諸氏、負けてはいかーん!
さて、このイベントの参加者であるが、赤い色のTシャツを着ている人がやたらと目立つので、ちょっと気になっていた。
また、この日のインストラクターは男性5名、女性1名の合計6名で、みんな赤色のTシャツを着ている。他のイベントの「ハイ・アンド・ロー」もちょっと見学したのだが、インストラクターはみんな赤いTシャツで、受けている人も赤を着ている人が多かった。
後で分かったのだが、チャイニーズニューイヤー(春節)ではみんな赤色のTシャツなどを着て寺院などにお参りをしていたので、このイベントもそれを祝ってのことなのかもしれない。
レッスンの初めに、リーダー格の女性のインストラクターから各インストラクターの紹介があり、「Two hours non stop!」の掛け声とともに、スタジオ内に音楽が鳴り響き、「ボディコンバット・マラソン(120分)」がスタートした。
普段、ボディコンバットのレッスンは受けていないので確かなことは言えないが、過去に何回か受けた経験から、音楽や「振り」は過去のものを全てつなぎ合わせているような感じであった。
パンチ系としてはストレート、ジャブ、フック、アッパーをベースに、それにアレンジしたものを加え、キック系としてはニーキック、フロントキック、サイドキック、バックキックがベースとなり、アレンジ系としてジャンピング・フロントキック、ジャンピング・サイドキックなどがプラスされた。
通常の60分のクラスでも、汗をびっしょりかき、終了時には結構疲労感がある。ましや120分となれば、通常の2倍である。「最初から飛ばしたらまずい。」と思い、軽くパンチを打っていたのだが、音楽がノリノリだとつい「オリャ!」「ヨッシャ!」となって、ついつい張り切りすぎてしまい、「待て、待て、これでは最後まで持たん。」といったんペースを落とすが、結局は「えーい、持たなかったら持たないで構わん!」とヒートアップすることになる。
参加者が多い分、雰囲気は盛り上がるが、キック系は周りを気にしないといけない。中には「全く初めて」という人もかなりいた。(日本と同じように、レッスンの前にインストラクターが聞いて確認をする。)ちょうど私の目の前でやっていた3人の女性は全く初めてのようで、動きもおぼつかない。
そのうちの2人がレッスンの途中で、立ち止まってなにやら話し込んでいる。「話すのだったらスタジオの隅のほうで話せばよいのに。」などと思っても、一向に動く気持ちがない様子。前へ移動するときは邪魔でしょうがない。
しばらくすると、二人ともスタジオから出て行ってしまった。1,2曲終えても戻って来ないので「難しいからレッスンをあきらめたのかな。」などと思っていると、また戻ってきて参加している。
当然、彼女たちのために、再びスペースを作ってあげないといけない。が、みんなそんなことほとんど気にしていない様子。「いやー、タイは本当におおらか、おおらか。」なのである。
曲と曲の間は30秒あるかないかくらいの間隔で、心拍数も下がることなくエクササイズが続いた。また、途中でクラスを2つに分けて円になってやったり、インストラクターがスタジオ前部にある1段高くなったステージで、アドリブでレッスンにない動きをやったりと、いろいろクラスを盛り上げてくれた。
「non stop」とあったが、半分を過ぎたあたりで5分ほどの休憩があった。それ以外は、ほとんど休憩らしいものはなく、スケジュール表では9時20分に終わる予定だったのが、結局、終わったのは35分を過ぎていた。
最後の2曲から3曲は、「時間が過ぎているのに、まだやるの?」と、いささかパンチを打つのもいやになってきたが、最後にはみんなの大きな拍手とともに、イベントは無事終了したのである。
スタジオ内に持ち込んだレンタルのフェイスタオルは汗でグチョグチョになり、絞ると、
オヤジ汗が滴り落ちた。ウワッ、キモワル!