四方山話

       

タイ・マレーシア フィットネス紀行/四方山話




こんなにも違うものか?

(フィットネスクラブ入会金)

タイでの「もの」や「サービス」の料金は「交渉次第」というところが結構ある。最近では、タクシーは「メーター制」になってきたが(一昔前は違っていた)、「トゥクトゥク」(三輪車)やオートバイの後ろに乗せてもらって移動する時は、まず料金の交渉から入る。
日本では考えられないが、フィットネスクラブの料金もしかりで、交渉次第というところがかなりあり、受付で最初に対応してくれた人の裁量でもかなり違ってくるようだ。
今回は、バンコクに到着した2日目に、まず一番目立つ「カリフォルニア・フィットネス」に行ってみた。
受付で(つたない英語で)「日本からちょっと観光できている。バンコクに滞在している10日間、ここでエクササイズをしたい。」と告げると、対応してくれた女性から「1週間で1,500バーツだけど、10日間で同じでいいわ!」と言ってくれた。
10日間で1,500バーツということは1日150バーツ。日本円で510円程度、5年前に通っていたときに比べるとかなり安くなっている。その当時の料金ははっきりとは覚えていないが、「1日2,000円まではしなかったかな?」くらいの感覚がある。
日本で1週間や10日間のパック料金みたいなものがあるかどうかは分からないが、1日ビジターで通うと2500円から3500円くらいはかかるのではないだろうか。市内のフィットネスクラブの数も、5年前と比べるとかなり増えているので、クラブ間の競争も激しく、かなりコストダウンされているようだ。
また、ここは特に、目と鼻の先に「トゥルー・フィットネス」があるのもかなり影響しているのかもしれない。
続けて「トゥルー・フィットネス」を見学してみた。受付の前でウロチョロしていると「Hello, May I help you?」と男性から声をかけられたので,「日本から観光で来ているのだが、10日間メンバーになるにはいくらかかる?」と聞くと「まずは中を案内して、ボスに相談してみる.」との返事、とりあえず金額だけを知りたかったので「時間がないので、また明日来る」と断った。
応対してくれた男性は「分かりました。私の名前はエークです。明日来たときは必ず私を呼んで下さい。」と悲しげな表情であった。このあたりから想像するに、入会者を獲得することによる「歩合給」的な要素がかなり強いように思われる。
その次の日であるが、一応入会しようと決めていたので、再び「トゥルー・フィットネス」を訪れたが、受付には昨日応対してくれたエークの姿はなかったので、「エークはいますか?」と聞くと「オフィスにいるのですぐに呼びます。」との対応。
3,4分でエークがやってきた。「ニコニコしながら、本当に来てくれたんですね。じゃ、施設を案内します。」と、一通りクラブ内を案内してくれ、受付の横にあるお客様の応対スペースに案内された。(応対スペースと言ってもかなり広く、100名くらいは着席できそうなスペースでそのままファミレスとしても使用できるほど)
「10日間ほど通いたい。」と告げると「ちょっと、ボスに聞いてきます。」と席を外した。2分ほどで戻って来て「2,600バーツです。」との金額提示であった。カリフォルニアと比べると明らかに高かったので、「カリフォルニア・フィットネスでは1,500バーツと言われた。」と言うと。「あそことは施設の規模が違います。」との返事。
実際にはどのくらい規模が違うのかどうかは把握できていなかったが、交渉をしないでそのままの金額を払うのもばかばかしいので、「何とか2,300にならないか?」と告げると「ボスに聞かないと…」ということで再び席を外した。
すぐにニコニコしながら戻って来て「カリフォルニアの金額のことをボスに話したら2,100でよいと言ってくれた。」との返事だったので、その場で提示された金額を支払い、「短期会員」の手続を取った。
(そのまま値切ったらもっと安くなったかどうかは分からないが、値引きの交渉はあまり得意とするところではない。)
後日、たまたまスクンビット通りにあるホテル「ザ・ランドマーク」の前を通ると「フィットネス・ファースト」という看板が出ていたので、料金を聞いてみようと受付まで行った。
1週間や10日間という中途半端な期間でのパック料金みたいなものはなく、最低でも3ヶ月、その次が6ヶ月、そして年単位での入会しかできないと言われたが、「one-day pass」があり、何と1,000バーツかかるとのこと。
「じゃ、10日間で1万バーツもするの?」と聞くと「2回目からは500バーツで構わない。」との答えだった。それでも10日間通って5,500バーツほどになる。施設自体もそんなに良くなさそうだあったので、「だれも行きませんから。」と思わずつぶやきそうになってしまった。

 

(航空券)

また、航空券もしかりである。今回の旅行では出発前に日本ではネットを通じて「成田−バンコク間」の往復のチケットだけを購入していた。その他、一応予定していたプーケット、マレーシア(首都のクアラルンプール)への航空券はバンコクで購入する予定を立てていた。
旅行代理店は通りを歩いていればいたるところで目にし、日本語での表示があるところもある。また、ホテル内にも代理店の出張デスクがあり、国内外のバス、鉄道、飛行機のチケットや各種ツアーなどを扱っている。
航空券の場合は、交渉をして安くするというのは難しいように思われるが、購入する場所によってかなりの価格差が出てくるみたいだ。
最初に泊まったホテルにも代理店のカウンターがあった。常時、対応してくれる人がいるわけではないが、たまたま外出しようとしたときに前を通りかかったら、女性が座っていたので、航空運賃をたずねてみた。
購入を予定していたのは以下の3種類である。
1.「バンコク ⇒ プーケット」
2.「プーケット ⇒ クアラルンプール」
3.「クアラルンプール ⇒ バンコク」
しばらくあっちこっちに電話をかけて、彼女の口から出た金額が「22,000バーツ(約74,800円)」であった。
「えっ、22,000バーツ?!」、特にいくらぐらいだろうと予想していたわけではないが、「そんなにするの?」という数字であった。
彼女には、「必要だったら連絡入れるから。」ということで軽くお礼を言うと、「じゃ必要だったら、ここに電話をください。」と名詞を渡された。
このまま素直に、この金額を鵜呑みにするわけには当然いかない。別の場所でも尋ねてみないと、22,000という数字が適正なのかどうかは分からない。
ホテルを出てしばらく歩いていると、通りに沿いにこじんまりとした旅行代理店があったので、店内に足を踏み入れると、小さなデスクの上に乗ったパソコンの画面に女性が向かって慌しくキーボードを打っていた。
私が、同じ3つのルートの航空運賃を尋ねると、やはりどこかに電話を入れ、提示された金額が「14,000バーツ」であった。一気に8,000バーツ下がったのである。
そのとき、提示された金額が財布の中に入っていたら、その場で購入していたに違いない。幸か不幸か14,000バーツを支払うには、ATMに行ってお金を引き落とさなければならなかった。(バンコクにはATMがいたるところにあり、日本でシティバンクのWorld Cashというカードを作って持って行ったので、ほとんどのATMが利用でき大変便利であった。)
私は、「お金を用意して、また午後にでも来ます。」と彼女に告げ、その場を一旦去った。
現金を引き落とすために寄ったATMの近くにも旅行代理店があり、外には海外の主要都市への航空運賃を表示したボードが置いてあった。「金額を表示する」ということは「ある程度、金額に自身がある」ということになる。「とりあえず、聞くだけ聞いてみようか。」とガラス張りの店内に入っていった。
カウンター式のデスクには女性が一人でパソコンに向かっていた。先客が1人いたが、5分もすると航空券を受け取り、出て行った。彼女にも改めて3つのルートの運賃を聞いたところ、「ちょっと時間を下さい。」と言われ、ソファに座って横に置いてあった雑誌をパラパラとめくって待つことにした。
すると、程なく同僚と思われる女性が入ってきて、最初の女性の隣の席に腰を下ろした。
また、店内では小型犬のシーズーを飼っていて、自由に歩き回っている。きれいにトリミングされていて、毛並みも整っていた。その犬としばらくじゃれあっていたのだが、何と「黄色い液体」を放出し始めてしまった。彼女たちに「おしっこしたよ!」と告げると、「えっ、おしっこ?!もう、イヤだー。」という感じで、モップで後処理をし、消臭剤をかけている。まあ、どこでもあるような風景なのだが…。
よくよく意識して彼女たちの会話を聞くと、声が少し低くて太い。「ん?」と後から入ってきた女性の顔をよくよく見ると、なんと「女性」ではなかった。そして、最初に応対してくれた女性も違っていた。
全然気がつかなかった。不覚であった。私は、こういう人たちには結構敏感である。この手の人たちが発する電波をキャッチする「全方位型オカマレーダー」を体内に備えているのだが、ちょっと旅の疲れが出ているのだろうか、どうやら休止状態のようであった。
しかし、バンコクではこの手の人たちが普通に飲食店やオフィスなどで働いている。全く「隠そう」とせず、ちゃんと自己主張しているところが、非常に「立派」である。
まー、この場合そんなことはどうでもよいのだが、10分ほど待たされたであろうか、提示された金額は10,200バーツであった。2軒目よりさらに3,800バーツほど下がった。
探せばもっと安いところがあったかもしれないが、もう十分である。彼女に「欲しい」と告げ、その場で料金を支払い、航空券を受け取った。
しかし、最初に聞いた旅行代理店の金額と比べると半分以下である。もちろん航空会社が違っていれば単純比較はできないが、一番長い「クアラルンプール⇒バンコク」間でも2時間くらいのフライトなので、航空会社などどこでも構わない。要するに落ちなければよいのだ。
最初に尋ねた、泊まっていたホテルの旅行代理店のデスクだって、ホテル自体が1つまたは2つ星程度なのだから、当然、安く旅行をしようという人たちを相手にしていると思うのだが、実際にはかなりの価格差が生じる結果となった。
もちろん、日本でも、当然旅行会社によって価格差は生じてくると思われるが、ここまで極端になるだろうか?ちょっと、あり得ないような気がしないでもない。


<<戻る  │  TOP  │  次へ>>