ちょっとしたこと。
【やっぱりあった違法DVD】
やっぱり韓国にも、道端で違法DVDのコピーが販売されていたので3枚ほど購入した。「パイレーツ・オブ・カリビアン、ワールドエンド」、「300(スリーハンドレッド)」そして「シューター」である。
「300(スリーハンドレッド)」はすでに韓国で正規のDVDとして販売されているようで、そのコピー。残りの2つは映画館における隠し撮りで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の方は画質もなかなか良かったが、「シューター」の方はコントラストがはっきりしすぎていた。特に影の部分が濃くなり、全体的には見づらい部分も多々あった。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」は公開中の映画で、全世界で同時公開がされてから2週間くらいしか経っていないと思われる。
また、「300(スリーハンドレッド)」や「シューター」も日本ではまだ未公開の作品である。実はこの「シューター」だが、韓国までの飛行機の中で観たものだが、飛行時間自体が2時間くらいだったので、半分ほどしか見れなかった。そのため、中途半端でちょっとモヤモヤしていたので買い求めたというわけ。
値段は、1枚だと3,000ウォン(約400円)、2枚で5,000ウォンなので1枚が2500ウォン(約333円)となる。
また、タイやマレーシアとの違いだが、DVDの種類が明らかに少なく、比較的最近公開されたものしか販売していなかった。
A4を二つ折りにしたくらいの大きさの透明のビニールの袋に入れられて売られているのだが、一応、何といったらよいのか装丁というか、パンフレットというか、それらしきものが入っていて、そこには映画のある場面の写真などが印刷されていた。
タイ、マレーシアの場合はディスクも本物っぽく見せるようにきれいに装丁されていたが、韓国の場合は通常の家電店で求めるようなディスクであった。
帰国後、テレビの番組で「盗撮によるDVDの販売」のことが取り上げられていた。最近では、映画会社側がなるべく被害を防ごうと「全世界同時公開」をし、プレミアム試写会などは金属探知機や手荷物のチェックなど実施し、セキュリティーをかなり強化しているようだが、中国あたりでは公開の翌日には路上で1枚1ドルくらいでDVDが売られているとのこと。
このようなDVDの違法販売により映画の興行収入が1割ほどダウンしているという内容の番組だった。
「ごめんなさい。以後、なるべく気をつけます。」
【日本人は信頼できる国民?】
毎日のように利用した地下鉄だが、2003年にテグという町で地下鉄の放火事件があり、死者196名、負傷者147名という大惨事を起こしている。その教訓からか、地下鉄のホームや通路などには扉がガラスになっているケースに入れられた防毒マスクをよく目にする。
また、その火災教訓だけではないと思われるが、構内や地上に通じる通路などのセキュリティーもけっこう厳しく、2回ほど警察官に呼び止められてしまった。
1回目は日曜日で、地下鉄構内から外に通じる通路で若い警察官に呼び止められ、「IDを持っているか?」と言われたので、パスポートを見せ特に問題はなかったのだが、このときはたまたまパスポートを持ち歩いていたのである。
旅行者なのだから、本来はパスポートを携帯しなければならないのであろうが、通常は宿に置いてきている。
また2回目も、地上の通りに出ようと地下鉄の構内を歩いていたときのことである。前方に警察官が2名ほどいるのが分かった。ただ、このときはパスポートは持っていなかったので、もし引き止められて「ID」と言われれば「ちょいヤバ」状態である。
「まさかフィットネスクラブの会員証ではIDにはならないだろうし(写真がついていない)、クレジットカードは一応写真がついているが・・・」などといろいろ考えていたが、「声を掛けられないようにするのが一番」と言うことで、その警察官との距離が近くなってくると、ポケットから何かを取り出す振りをしてなるべく目を合わせないようにして脇を通り過ぎたが、韓国語で話しかけられてしまった。
99%自分に話しかけているというのは分かっていたが、分からない振りをして無視して歩き続けた。が、前に回られ静止させられてしまったのである。
しきりに韓国語で話しかけているので「Do you speak English?」と言うと、「Nationality?」と聞いてきた。知っている韓国語の「イルボネッソワッソヨ(日本から来ました)」と言うと「日本人か・・・、行っていいです。」と特に日本人であるかどうかの確認もされず、無罪放免。
「日本人」と言うと、韓国の場合は国民感情的にはいろいろあっても、個人的には、支払いや行動の面ではそれなりの信頼を置いてもらっているような気がする。
宿のイムズハウスでもそうだが、特に日本人だけがその特典を持っているかどうかは不明だが、チェックインするときにIDなどは特に提示するようには言われなかった。
しかし、他のアジア系の人がチェックインするときにはパスポートの提示を求められていた。(私の場合、単に忘れられていたのかもしれないが・・・)
日韓友好のためにも、あまりハメを外しすぎてはいけないのである。今回は外で飲み過ぎなかったので良かった!
【ラミョン】
コンビニなどでも日本より種類は豊富でないような気がするが、カップ麺を買うことができるし、飲食店などでも韓国独特の麺類を食することができる。
が、何といってもビンボー人の見方は「ラーメン」である。その「ラーメン」であるが、韓国語では「麺」を「ミョン」と発音するので「ラミョン」に近い発音になる。
ソウルの街中を歩いていると、店内は4、5人くらいしか座れないようなこじんまりした食堂を目にすることがあり何回かお世話になっている。そして、そういう食堂の定番メニューとして「ラミョン」があるのであが、この「ラミョン」は日本で言う「インスタントラーメン」そのもの。
「ラミョンください。」と注文すると、店主はナベに水を入れコンロに掛ける。水が沸騰すると、日本で売られているインスタントラーメンと同様に、1つ1つビニール袋でパックされたものを開け、取り出した麺とタマゴ、そしてちょっとした野菜などをいれグツグツと煮る。そして食べごろになると、そのナベのままテーブルに置かれるのである。
味も、日本で言う「〜ラーメン」のような「〜」の部分はなく、「ラミョン」1種類のみで、赤みのついた「ピリ辛」味である。
そして、この「麺」なのだが、日本のインスタントラーメンとは少し質が違うのか、グツグツとけっこう煮てもあまり軟らかくなり過ぎないような気がする。
値段はだいたい2,500ウォン(約333円)で、ランチとしてはこれに「のり巻き」(1本1,000ウォン〜1,500ウォン(約133円〜200円)をプラスすれば十分である。
店が小さいので探すのには苦労するが・・・。
【焼肉】
「焼肉」は韓国が本場である。ガイドブックの「地球の歩き方」などにも写真付で肉の種類などが載っている。「せっかく来たのだから」と何回か店内に足を踏み入れてみたのだが・・・。
第1回目のチャレンジ
地下鉄のミョンドンの駅からナムサンゲストハウスまで行く途中にも焼肉店が何軒かあった。その中の1つの通りに面したウインドウに「このお店はボリュームたっぷりでとてもよかったです。」「ご主人は日本語を勉強中です。」「焼肉、とてもおいしかったです。また来ます!」などと日本語で書かれた張り紙が張ってあったので、中に足を踏み入れてみた。
空いているテーブルに腰をかけると、男性がお水を持ってきてくれたので、「メニュー」というと首を横に振って壁を指差している。その男性が指差した壁に目をやると韓国語で書かれたメニューに数字が書いてあった。
もちろん数字は何を意味するか分かるが、肝心の料理が何なのかさっぱり分からない。「日本語ででますか?」と聞いても首を横に振るだけ。「まいったな、あの張り紙はなんだったんだ・・・」などとぶつぶつ言いながらバックから「地球の歩き方」を取り出し、「焼肉と肉料理」というページを開いた。するとその男性も私が開いたページを覗き込んでいる。
いくつかある料理の中からあまり大げさでない「プルコギ」の写真を指差してその男性に見せると、今度は「うんうん」という感じで首を縦に振っている。「ようし、韓国に来て初めての焼肉だ!」と喜んだのもつかの間、その男性が私のことを指差して右手の人差し指を「1」という感じで立て、今度はガイドブックのプルコギの写真を指差し「2」という感じで指を2本立てている。
最初は何のことなのか理解できなかったが、少しするうちに、この男性は「プルコギは2人前からだ。」と言っているのが分かった。「2人前からか・・・。そんなに食べれないな。」などと思っていると、この男性は壁のところに行きあるメニューを「これにしろ!」と指を差している。
それは韓国語で書いてあったので、もちろんどんな料理だか分からなかったが、5000ウォン(約667円)という金額だけは理解できた。
「もう何でもいいや。はずれだったらはずれでしょうがない。」となかばやけになりながら、私は首を縦に振った。
最初にキムチなどの副菜が3品ほどテーブルに運ばれたが、しばらくすると彼が勧めてくれたものが目の前に置かれた。
牛丼の「並」が入るくらいの厚手のどんぶりに牛肉、豆腐、春雨、野菜などが入っていて煮込んであった。「甘め」の味付けで、今までもどこかで食べたことがあるような味である。もちろん焼肉ではなく、スープベースの食べ物。
一緒についてきた「白米」は、銀色の金属の容器に入れられていて、日本のお米と比べると少し粘り気があったような気がしたが、味的にはまったく違和感なく食べることができた。
しかし、このご飯の入っている金属性の容器が小さいのである。最初は「何が入っているのかな?」と思ったくらいで、日本ではよっぽどのことがない限り一膳で済むのだが、メインの料理がおいしかったこともあって、「御代わり」をした次第である。
「焼肉」は食べれなかったが、味と値段には満足し店を後にした。
2回目のチャレンジ
2回目は2つめの宿のイムスハウスの近くの焼肉店に入ってみた。
確か金曜日の夜だったように記憶しているが、どこの焼肉店も賑やかである。「今日こそは食うぞ!」と焼肉店が軒を連ねる小さな道をウロチョロしていたのだが、ちょっと優柔不断な私がいて、無駄に時間が過ぎていく一方であった。
同じ店の前を「みんな、賑やかにやっているな。おいしそうだな。」と2回も3回も通り過ぎているうちに、何となく気持ちがなえてきてしまった。
とそのとき、ある焼肉店のウインドウのところに「Grilled Pork 8000」という張り紙が目に入ってきた。「Grilled」とあるので自分で焼くのではなく、最初から焼かれている肉のことなので「一人で寂しく焼くよりはいいか?」などと自分に言い訳をし、店内に足を踏み入れた。
店自体はさほど大きくもなく、座敷がメインで広さ的には12畳もないくらい。そして、金曜の夜ということもあって座敷は全部埋まっていた。入り口のすぐ左横にカウンターがあったので、店主にそのカウンターを指差し「OK?」と聞くと、うなずいている。
ただ、このカウンターだが、普段は荷物置き場として使用されているみたいで、調味料や雑誌などの荷物で雑然としていたが、急いで私の座るスペースを作ってくれた。
ご主人から手渡されたメニューにウインドウにあったものと同じ「Grilled Pork 8000」というのがあったので、それと「ビール」を注文した。
一番最初に出されたビールをチビリチビリやっていると、メイン料理の前の副菜が目の前に置かれるのであるが、「まだ出てくるの?」と思われるほど数が多い。
いままでも食堂に何回か入ってその数が多いのには実感していた。それでも3品から4品といったところであったが、全て食べることはできなかった。
「もったいないな。」とは思うのだが、無理して胃袋に詰め込もうという気にはなれなかった。もちろん、中には味が口に合わないのもあったわけで…。
さて、この店で出てきた副菜は以下のようなものである。
・スープ ・冷雑炊 ・おしんこ ・コーンのマヨネーズ和え ・味噌
・ノリのから揚げ ・ソーセージ ・オムレツ ・キュウリ ・サニーレタス
・キムチ ・スイカ ・ニラの味噌和え
そして、メインの「Grilled Pork 」であるが、豚肉だけでなく、ニンジンやキャベツといった野菜と一緒に炒められたものが出てきた。
いや、参った。どれも美味なのである。が、一見しただけで「完食」はムリ。貧乏人で「もったいない精神」は染み付いているのだが、どう頑張ってもムリなものはムリ。さすがにタッパーまでは持ち歩いていなかった。
しかし、追い討ちをかけるように、ご主人から「ご飯は?」と言われたので、「ノー、ノー、ノー」と「ノー」を3回も連発してしまった。
お勘定を済ませた後は、パンパンになったお腹をさすりながら宿まで向かった。結局、ここでも本場の「焼肉」は食べれなかったが、値段、味ともに大満足である。
3回目のチャレンジ
帰国前日、「今日こそは・・・」と思い、ミョンドンの繁華街を昼食時ウロチョロしていた。「焼肉、豚、8000ウォン」という看板を発見、「よっしゃ!」と気合を入れて中に入っていった。
テーブルに着くとメニューを手渡され、「焼肉、豚、8000ウォン」を指差し「これをくださーい。」と言うと、店員は
「それは2人前からしか出せないのですが、いいですか?」
「えっ、2人前?」
「そうです。2人前からです。」
「・・・」
「これなら1人前なので、これはどうですか?」
「じゃあ、それで・・・」
店員が勧めてくれたものが何なのかあまり確認する気力もなく首を縦に振ってしまった。みごとな「撃沈」である。ゴングが鳴って数秒でリングの上に倒れているボクサーのごとく・・・。「秒殺」⇒「意識喪失」
気がつくと、目の前にはすき焼きを作るくらいの鉄製のナベがカセットコンロに乗せられグツグツと音を立てている。そして、そのナベの中央に置かれたインスタントラーメンもだんだんと形が崩れてきている。その横に落とされた生卵も黄身の上は薄っすらと白い膜がかかっていた。
ボーっと眺めていると、店員が近づいてきて中央のラーメンをほぐして、ナベ全体をかき回して、コンロの火を弱火にし「食べれますよ。」と声をかけてくれた。
料理の名前は分からないが「焼肉が食えないビンボー人スペシャル」とでもネーミングをしておこう。そう、ビンボー人は「ラーメン」と切っても切れない縁があるのである。
動物性のタンパク質を探すと、それらしきものがあった。平べったいソーセージのようなものである。ソーセージなので「いろいろな肉が入っている」と同時に「どんな肉が入っているかわからない」スペシャルである。ふと、「韓国人は犬を食する」というのを何かで読んだことがあるのを思い出した。
いやいや、プラス思考で考えなければならない。「一度にたくさんの種類のお肉が食べられてうれしい!」と喜ぶべきである。
決して口に合わなくて食べれないというものではなかったが、少し辛目の味付けということもあって半分食べたところではしの動きが止まってしまった。そして、例によって金属性の器に入った少な目の「ご飯」をお代わりすることもなかった。
結局は3回もチャレンジしたにもかかわらず、全て失敗してしまったのだが、韓国は「焼肉が本場」とあっても決して安いことはない。もちろん肉の種類などにもよるのだろうが、日本円にして1人数千円は覚悟しないと入れないような気がする。
ソウルにも「安楽亭」があったら喜んで入ったのだが…。
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