四方山話

      

台湾フィットネス紀行/四方山話




龍山寺

 「まったく観光をしないのもな…。」と「地球の歩き方」をペラペラとめくっていると「龍山寺」というのが目に留まった。
毎日のように利用している地下鉄の阪南線の「龍山寺」で下車をし、徒歩で数分のところにあるようである。阪南線であればアレキサンダーヘルスクラブに行くにも乗り換える必要はないので、汗を流す前に寄ってみた。
「龍山寺」で下車し地上に出ると、毎日のように小雨続きだった天気が少し「本気モード」に突入していた。ただ、駅のすぐ脇には「龍山寺公園」があり、龍山寺は道を挟んでその向かい側になるが、公園には屋根つきの遊歩道があるのでさほど濡れずに龍山寺までたどり着くことができた。
 雨に濡れることもなく重宝した屋根つきの遊歩道であるが、その下にはずっとベンチが置かれていて腰を下ろして休むことができ、事実、腰かけて談笑しているひともかなり見受けられた。
ところどころ人だかりができているのでのぞいてみると将棋のようなものを打っている。 打っているのは年配の人が多いのであるが、「年金暮らしで毎日、悠々自適」というよりは、身に着けているものや匂いからちょっとホームレスっぽい。
鼻をクンクンさせて彼らを横目で見ながら公園を通り抜け、道路を渡って龍山寺の門をくぐると、時間的にはすでに5時を回っており辺りは薄暗くなってきている。それに加えて龍山寺は四方を壁で囲まれているので一層薄暗く感じる。
境内にはカメラを首からぶら下げガイドブックを読んでいる人や、ビデオカメラを片手に撮影している観光客らしき人も何人かいたが、ほとんどが地元の人のようで、お供え物をしたり、線香ならぬロウソクを立てて手を合わせてお祈りをしている人もいたが、ほとんどの人は両手に経典(?)を持って熱心にお経を読んでいる。
そのお経であるが、日本のそれとは異なり、非常にリズミカルで歌を歌っているように聞こえる。 20分近く滞在したが、その間ずっと「お経を読む声」は途切れることなく続けられていた。 
実は、この龍山寺、2回ほど訪れているのだが、2回目も例の「歌」は途切れることなく境内に響いていた。
台湾だから何となく仏教なのかなと思っていたが、帰国後調べてみると「神仏混合」とのこと。ここはちょっとお勧めかもしれない。



小雨の中に佇む龍山寺。境内にはお経が絶えず響き、ロウソクの燃える匂いが漂っている。台北市の中心部に位置するが、周りの雑踏とした雰囲気とは明らかに空間を異にする。



龍山寺ではお線香の代わりにロウソクを立てる。その大きさにも、小さなものから大きなものまでいくつかある。当然、立てられる場所は限られているので、新しいものを立てるときは、前の溶けたロウをきれいに処理しなければならない。それを担当する女性が額に汗を光らせながらせわしなく動いていた。



境内にて熱心にお経を読む男性。お経は絶えることなく境内に響き渡っているが「耳障り」に感じることは一切なく、歌をきいているようである。その中に包まれていると不思議な気持ちにさせる。・



雨で夕刻に訪れたということもあってか、周りを壁に囲まれた境内は薄暗かったが、花をはじめとして季節の果物が彩りを添えていた。



龍山寺公園から見た龍山寺。2回目に訪れたときのもの。このときは1回目よりは早い時間に訪れた。


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