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ボール

 

 

 

 

 バランスボールは、その特性を生かしてバランストレーニング、筋力トレーニング、またはストレッチもできる非常に便利なエクササイズツールと言えます。 ただ、一時期流行ったほどの人気はなく、私が通っているフィットネスクラブでも、フリースペースでたまにショートレッスンとしてバランスボールを使ったレッスンがあるくらいで、スタジオでのクラスは現在ではなくなってしまっています。
 また、通販等で購入をし、自宅で使ったことのある人も多いと思いますが、数カ月もすると邪魔になり空気を抜かれて押し入れの片隅に置かれているのが現状ではないでしょうか。
 ある日、「バランスボールの上に立てるだろうか?」という疑問が頭の中に浮かび、通っているフィットネスクラブのフリースペースの端の方に置いてあったボールを一つ手に取り中央に持ってきました。
ボールを上から両手で押さえ、右足、左足と順番にボールの上に置き、何とか体をボールの上に乗せることができました。グラグラと揺れてはいたのですが「エイッ!」と両手を離して一気に立ち上がろうとしたら、体が一瞬軽くなり「何だ、この感覚は?」と思っていると、大きな音とともに背中からフロアに叩きつけられていました。
 すぐに「こけたんだな!」というのが分かりました。恥ずかしさもありすぐに立ち上がったのですが「誰かに見られてたかな?」などと周りを確認する勇気などなく何もなかったかのようにしばらくはフロアに腰を下ろしてボーっとしていました。
 すると妙に右手の薬指がうずくのです。見てみると薬指の関節が赤くはれていているではありませんか。突き指をしてしまったのです。結果的にその痛みは半年くらい続きました。
「ボールの上に立とうなんてバカなことをしたものだ!」と後悔し、それ以降は挑戦しようという気持ちも起きず、しばらくは忘れていました。
 ある日、インターネットのあるホームページで「初めて挑戦したのにボールの上に立つことができました!」という活字が目に飛び込んできたのです。
「何!?」とそのホームページをよく見てみると年齢的には20歳から25歳くらいの女性がボールの上に乗っている写真が掲載されているではありませんか。「初めてでちょっと不安だったんですけど、やってみたら簡単に立てました!帰宅して母親に話したら危ないからやめなさいと注意されました。」などという文もあるのです。
「この小娘め、許せん!おれはこけて半年間も突き指の痛みに苦しめられたのに…」とこけたのは100%自分の責任以外の何物でもないのですが、心の奥底に眠っていた闘志(?)がメラメラとくすぶりだしてきたのです。
運動神経の良いスポーツ選手かなにかであれば別だったのでしょうが、「簡単に出来ちゃいました!」「母親に注意されたからやめます。」などという文句は私に対する挑戦状以外の何物でもなく、「小娘め!許せーん。そんなことはゼッタイにこの中年のオジサンは許さーん!上等だ!立ってやろうじゃないか!」と半年間痛い思いをしたことなどはどこかに吹っ飛んでいきました。
 ただ、以前と同じ過ちを繰り返し痛い思いをするのも嫌だったので、まずは「こけるもの」ということを前提としました。それで、こけたときに体へのダメージを最小限に抑える体制を取りました。
 「最小限に抑える」と言っても家でやるわけではないので、ヘルメットをかぶったり、腰に何かを巻きつけたりというわけにはいきません。通っているフィットネスクラブで対処できる範囲内ということになります。
こけるとすると前回と同じように後ろにこける可能性が大なので、柱を前にしてボールをセットしました。
ボールと柱の距離は40p前後、これであればバランスを崩してボールが前に動いても、大した距離ではないので体がフロアに落ちる勢いも違ってくるはずです。
 そして、ボールの後ろにはフロアに落ちた時の衝撃を軽くするためにストレッチマットを2枚敷きました。
さて、これで準備は万端です。ボールを上から両手で押さえ、右足、左足と順番に乗せ体全部をボールの上に乗せ「M字開脚」のポーズを取ります。そこから腰を少しずつ浮かし中腰の姿勢に入り、後は両手を離して立ち上がればよいだけです。
 ただ、中腰の姿勢を取った時点で体が左右に揺れ安定しません。この状態で「おりゃ!」と勢いをつけて立ちあがってもこけるのが落ちです。こけたときの準備ができているとは言っても前回と同じ過ちを繰り返すほどの勇気はありません。
 何とか片手は離すことができますが、両手となると「コケル」の三文字が脳裏に浮かんできます。タイミングよく両手を離すことができても一瞬で、すぐに両手をまた着いてバランスを取ってしまいます。
何日か同じことのくり返しで、どうしても立つことができません。なかなか先には進まないので、「とにかく情報を!」と思いネットで「バランスボール」や「バランスボールに立つ」という語句で検索してみると、いくつかバランスボールの上に立っている写真を見つけることができました。よくよく見るとボールの上に置いた足の位置が私のとは異なっていました。自分の場合は、足の位置を中央に寄せ気味だったのでバランスがなかなかとれなかったのかもしれません。
 そこで、足の幅をもう少し広くするとバランスも安定してきたので、何回か試すうちに立つことができるようになったのです。あとは「慣れ」で週に1回くらいの割合でも一度立ててしまうと、もちろんその時の調子の良し悪しはありますが、「立てない」ということはなくなりました。
もちろん万が一のことを考えて、必ず柱を前にし、マットを2枚重ねてボールの後ろに敷いいましたが、幸いなことに二度とこけることはありませんでした。
 こうなってくると、「なんであんなに苦労したんだろう?」となり「よっしゃ、次はスクワットだ!」という気持ちが芽生えてくるものです。
ということでこの「バランスボール」の項を設けました。フィットネスクラブなどによってもレッスンの内容はかなり異なってくると思いますが、通常バランスボールを使ったレッスンはストレッチや筋トレが中心となり、バランス系のエクササイズがあっても片足または両足を浮かせてバランスを取るくらいで、ケガのことを考えてあまり難易度の高いものは行われないはずです。
 しかし、ここではあえてバランストレーニングを中心に取り上げてあります。簡単なものから難易度の高いものまであり、当然、ボールから落ちてしまえばケガをする可能性は十分にあります。
ですから自信のない方はいきなりボールの上に乗ったりしないでください。バランス感覚を養うエクササイズは他にいくらでもあるので、無理してやるようなものでもありません。 
 「挑戦してみたい」という人は徐々に体をボールに慣らしていってください。真似をして怪我をしても私は責任を取ることができませんので、あくまでも自己責任ということで行ってください。

 ⇒バランスボールを用いた筋トレ・ストレッチ


 スタジオレッスンの場合は他のレッスン同様特に自分で用意するようなものは何もありません。動きやすい服装で受けていただければ結構です。ボールはフィットネスクラブにあるものを使う形になります。
フィットネスクラブによっては大きさの違うボールを何種類か用意してあるところもあるでしょうから、使いやすいものを選ばれるとよいでしょう。
 また、同じ大きさのボールでも空気の入れ具合によって使いやすさが違ってきますので、これも何回か受けてみると使いやすいボールの硬さが分かってくるはずです。

 

 

 



ボールの大きさ
足の幅
 
スタンダード
ナロウ
ワイド
ボールの上に座った時に、膝の角度が90度くらいになるのが一番安定するようです。
基本的な足の幅として腰幅くらいのスタンダードスタンス、それよりも狭いナロウスタンス、腰幅よりも広く取るワイドスタンスなどがあります。それぞれの動作に合わせて調節していきましょう。

 

 

【ウォーミングアップ】

 

【バランス系】

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